2006年1月20日 (金)

アンコール・ワットの修復現場

0120 「アンコール遺跡群を極める8日間」のツアーより帰国しました。今回は上智大学学長、石澤良昭先生が現地で3日間ご案内してくださるという特別企画でした。2003年末から毎年、石澤先生にご協力いただき、出発しているコースです。今回も多くのお客様にご参加いただきました。年末年始にかけてのカンボジアは、世界各国からの観光客でとても賑わっていました。最初はどこに行っても混んでいて大変なのでは、と少し心配しましたが、石澤先生のご提案で一番の見所のアンコール・トムとアンコール・ワットは、通常と少し回り方を変えたり工夫しました。その甲斐あって、以外とスムーズに両遺跡とも観光することができました。アンコール・ワットの見学は上智大学が中心となって修復している西参道修復現場から始まり、夕陽が射す第一回廊まで、たっぷりと3時間かけて先生と共に回りました。中でも興味深かったのは西参道の修復現場です。毎日カンボジア人達によって少しづつ修復が続けられています。

弊社の特別なコースでは、この修復現場で実際に使用されているラテライトの石材費用として、ツアー代金に70ドルを含めさせていただいております。暑い日ざしが照りつける中でも石工さんたちは、接着剤を使わずに800年前と変わらない技法で作業を行っています。先生方は、この国の宝ともいえる遺跡は現地の人々によって、はるか昔と同じように修復されることが大切、とお考えになっていらっしゃいます。以前、石工を育てる様子がNHKのプロジェクトXという番組で取り上げられ、ご覧になった方も多いことでしょう。その時も、石工さんの一人であるトイさんが真面目に働いていらっしゃる姿が見えました。3年前から先生とこちらを訪れるようになり、当時と現在の現場の写真を見比べると、修復された部分が一目瞭然です。時の流れを感じると共に、石工さんたちの努力が形となって現れていて、凄いことだと改めて実感しました。お客様の中でも、ご自身の寄付によって石が買われ、その石が使われて修復が更に進んだ時に、また是非訪れて見てみたいとおっしゃっていました。ただ遺跡を見て感動するだけでなく、現地の遺跡が直面している現実を知ることができた思い出深い旅となりました。 (帯津 和美)

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