砂漠のインドの摩訶不思議
へえ、ラクダってこんなに速く走ることができたんだね!
あ!ラクダが人間と握手しているよ。ラクダって賢いんだね!
うわ!走るラクダの上で逆立ちしてるよ、あのお兄さん!
砂漠が広がるラジャスターン州。石油、川、緑と比較的豊かなグジャラート州。先日この両州を巡る旅へ行って参りました。インド広し。皆様、インドと聞いてどのようなイメージ、どのような想い出をお持ちでしょうか。タージマハル、ガンジス、象さん・・。しかし、西部インドは他の地方とはまた違った魅力を、様々な顔をみせてくれる地方です。砂漠、アカシア、ラクダ、塩の原、インダス文明の遺跡の数々、城砦都市、昔の宮殿・・・。 どのシーンも各々に印象的でしたが、特に印象に残ったシーンをご紹介したいと思います。
ジャイサルメールは、はちみつ色の石を積み上げて築かれた城砦都市。今年は、今も現役のこの都市でデザートフェスティバルに参加しました。甘いもの祭りではもちろんありません。砂漠祭りです。地元の人々が綱引きをしたり、ターバン早巻き競争をしたり、クリケット大会があったり。ユニークな催しが3日間に渡って行われます。私達は、ラクダのタトゥーショーを見学しました。赤や青のマントを被り、銀のアクセサリーをつけおしゃれをしたラクダたち。国境警備隊やラクダ使い、あるいは普段彼らと生活を共にするインド人が自分の「愛駱駝」と技を披露します。砂漠地域だからこそ活躍できるラクダは、生活に貢献するだけでなく、人々の癒しにもなっていることが伝わってきました。冒頭の歓声はこの時に耳に入ってきたものです。インドとラクダと砂漠とアカシア。摩訶不思議、インド。
もう一つ敢えて選ぶとすれば、ドーラビーラーの遺跡でしょうか。インダス文明はまだまだ謎に包まれた文明ですが、そこに生きた人々が高い文明を持っていたことが覗えました。雨季には海の一部となる湿原(今は乾季なので水が乾き、辺り一面塩で覆われ真っ白!雪の大地に立っているような錯覚におちいりました)に面するこの遺跡は港町として栄えたと言われます。多くの人が住んでいたのでしょう。立派な貯水池がたくさんありました。地下水路を張り巡らせる技術をも持ち合わせていたらしく、その水路の一部がみられたことは感動でした。5000年前にこれだけ発展し得た民が何故滅んでしまったのか、発掘修復が進む遺跡の間を歩き、石に触れながら感慨にふけりました。摩訶不思議、インド。
砂漠という厳しい環境の中で生まれた光景、文化、人々。その姿は便利になる世の中で変わろうとしています。手織りの味ある生地が、機械織りの均一ものになるように。いつまでも変わって欲しくないと願うのは旅行者の勝手な言い分でしょう、ドーラビーラーも謎のままの方がロマンがある、と感じるのは私だけでしょうか。みなさま、是非今のうち、味のあるインド西部へ旅されてはいかがでしょうか。 (岡田 あかね)
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