2006年5月12日 (金)

カンチェンジュンガの雄姿と高山植物の競演~インドの秘境シッキムの春~

0516インドの地図をご覧になると、その北東部の辺りは何やら国境線が不自然に入り組んでいることに気付くでしょう。そこにネパールとブータンとバングラデッシュに西・東・南から挟まれ、北側は中国のチベット自治区と接している、小さな領域があります。ここは、1975年にインドに併合されるまで「シッキム王国」というチベット系の王が治める小さな王国だったのです。関係が未だにあまりよくない両大国インドと中国に挟まれているという地理的な重要性から、インドの一州となった今も、シッキムへの入域は制限されており、観光客が自由に旅をすることができない「秘境の地」となっているのです。インドの大部分はインドの観光ビザさえあれば、自由に歩くことが出来ますが、シッキムへ入るには、その他に、特別な入域許可証を取得しておく必要があるのです。
そのシッキム州の中でも中国との国境により近い北シッキム地域は、更に入域が制限されており、別に「北シッキム入域許可証」を取得しなければ訪れることが出来ない上、そこに滞在できる期間も制限されているという、インドの中でも秘境中の秘境なのです。

スタ川・・・などなど。“フォト・ストップ”を何度も繰り返しながら、進んでいきました。
翌日、ラチュンから24kmほど離れたユムタンという渓谷に向かいました。この日も幸運なことに晴天に恵まれ、山の景色は最高!お天気に関しては、シッキムの神が私たちにヒマラヤの麓に位置するこの秘境の地は、美しく雄大な風景に彩られた感動の世界。この世の理想郷、“桃源郷”を思わせる絶景が至る所で見られ、特に、世界第3位の高峰カンチェンジュンガ峰(8586m)の朝陽に照らされた神々しい姿を望むとその感慨も深まります。
シッキム州の州都ガントクの郊外には、カンチェンジュンガ峰の美しい姿を望む事の出来る「タシ・ビュー・ポイント」という展望台があります。早朝、日の出前に、ガントクのホテルを出発し、その展望台へ向かいます。幸運なことに、その日は雲ひとつ無い快晴!しかも数日前の天気予報を大きく覆しての晴天でした。出発時から空にはうっすらとカンチェンジュンガのシルエットが浮かび上がっており、素晴らしい光景を望む事が出来るのではないかという期待感が自ずと高まってきます。
展望台に登ってみると、目の前には朝陽に照らされて輝く白銀の峰々が、まるで私たちの訪問を歓迎するかのように佇んでいました。カンチェンジュンガをはじめとするこれらシッキムの名峰は、朝の陽光に照らされ、刻々と色を変化させていきます。私たちを興奮させた朝のカンチェンジュンガ。それは、睡眠不足の眠気も吹き飛ぶほどの本当に素晴らしいものでした。
さて、感動冷めやらぬまま、州都ガントクを後にして、私たちはシッキムの中でも更に未知の世界が広がる北シッキムの方へ向かいました。目指すはラチュンというヒマラヤの雪山に四方を囲まれた村。ガントクからラチュンまでの移動中の車窓からの景色もまた絶景の一言。美しい緑の山々に囲まれた深い渓谷やその谷間を蛇行しながら流れるティー微笑んでくださっていたとしか思えません。見えざる神に感謝の思いを捧げ、出発しました。
ラチュンからユムタン渓谷の地域は、「ロドデンドロン」と呼ばれるツツジ科の石楠花の仲間や、「プリムラ」と呼ばれるサクラソウ科の可憐な高山植物の宝庫です。
ラチュンのホテルを出発してからしばらく山道を登っていき、その途中、雪解け水を湛えた透き通る小川の付近で車をとめ、野の花を愛でながら、ごく簡単なハイキングを楽しみました。周囲の美しい雪山に見守られながら一面に群生するプリムラや、白銀の雪山を背景に真紅の花が映える石楠花など、華麗な花々の競演を存分に楽しませて頂きました。
その後、再び車を走らせ、ユムタン渓谷へ。高度はぐんぐん上がって行きます。
ユムタンに到着すると、空気はひんやりと冷たく、3600メートルの高地にやってきたことを実感します。
ユムタンの周囲を囲む雪山はここでは無名の山々ながらどれもが美しい佇まいで、スイスのアルプスを髣髴とさせる光景が広がっています。こここそが真の桃源郷だと、そう思わせられるような場所なのです。
ユムタン渓谷でもやはりハイキングを楽しみました。ここでもプリムラや石楠花が所々に咲いていました。5月の下旬になるとこの地は、あの“幻の花”ブルーポピーが咲き乱れ、それはそれは美しいそうです。幻の花を拝むには未だ早かったのですが、白銀の峰々とユムタン川が織り成す景観、そして可憐な花と美味しい空気の中でのハイキングは、とても楽しく忘れ難い思い出となりました。
その後も旅は続きましたが、 シッキムの春を存分に満喫できた素敵な旅は、あっという間に終わってしまいました。

是非、皆様も北インドの秘境シッキムへいらしてください!!(江崎 映理 )

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