ポルトガル、王妃たちの町
町の北東の端に、今では宿泊施設として使われている小さな城があります。町を見下ろすこの城は15世紀のもの。王妃たちのための城です。13世紀、当時の王妃イザベルがこの町を大変気に入ったので、王は彼女にオビドスをプレゼントしたのです。
以来、このディニス王に倣って、彼に続く王たちは、自分の王妃にこの町を贈ったので、19世紀までオビドスは代々王妃の直轄地として、彼女たちに愛されてきました。
王妃の心をも捕らえたこの町。
青や黄色に縁取られた白壁には花が飾られ、夏のこの時期には特に色とりどりのブーゲンビリアが鮮やか。
メインストリートの店先に並ぶチェリーブランデー、ジンジーニャのさくらんぼの入ったボトルも、大きいものも小さなものも、どれもおしゃれで可愛らしいものばかりです。
小一時間もあればぐるりと一回りできるオレンジ瓦の小さな町。
今も中世さながらのこの町の景色の中に、迷い込むひと時はとても楽しいものです。(山岸 青霞)
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