2006年8月 2日 (水)

それでも愛すべきイタリア人達

Bar 先日イタリアのツアーから帰国しました。

先ごろ優勝を果たしたワールドカップの興奮冷めやらぬ中かと思いきや、そうでもなく、現在のイタリア人達の関心事は専ら国内リーグの八百長(審判買収)問題。

ワールドカップ決勝を戦ったフランスとイタリア代表のメンバーのうち、合わせて8人が所属し、今年の国内リーグを優勝したトリノの名門ユベントスがその渦中にあり、他にも名門と数えられる3チームも疑いをかけられているただならぬ事態です。日本で例えれば、巨人、阪神、中日とソフトバンクが揃って八百長しているようなものです。

街では、厳罰が下る予定のチームの救済を求める署名運動も行われており、国民の感情としては、ワールドカップ優勝による恩赦を求める声が強いようです。

ツアーで直接サッカーを観戦する訳ではないのですが、こうした風景を眺めながら、自分達がひいきにしているチームや選手を一途に救いたいと思っている人々の姿が印象的でした。

イタリアは、古代ローマ帝国の崩壊後、1,600年近い年月の間統一国家が存在しませんでした。その間、それぞれの地方や町ごとに小国家が乱立する時代が続き、今日に残るイタリアの豊かな地方性が育まれました。イタリアを観光しながら、そうした豊かな地方性に触れる機会も多いのですが、きっと地元のサッカークラブを愛する気持ちもこのようなイタリア人の側面のひとつと感じました。

街角のバールに入ったら、八百長問題が放映されている間テレビに釘付けだった店員がようやくカプチーノを作ってくれた。日本人には、テレビの為に待たされる事は耐えられないが、ここはイタリア。決していいかげんに作られてはいない、泡立ちも見事なカプチーノを飲みながらそんな事に思いを馳せました。愛すべきイタリア人。(小玉香織)

イタリアのツアーはこちらから

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