2006年12月 7日 (木)

インドであってインドでない場所

1207_000 先日「トイトレインに乗車!ヒマラヤの里ダージリンとシッキム王国9日間」より帰国致しました。
 さて、このツアー名を聞いてどこの国のことかお分かりになるでしょうか?ダージリンというと世界的に有名な紅茶であるということは知られていますが、それがどこにあるのかをご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか。それにシッキム王国。“王国”とある以上、国には違いない?・・・とはいえ一体どこでしょう?
 今回は訪れたのはインドです。そう、様々な宗教、民族、文化、言語、あらゆるものが混在しているあのインドです。その中でも今回ご案内したのはシッキム州と西ベンガル州です。地理的に言うとインドの北。周囲をネパール、中国、ブータン、バングラデシュに囲まれています。この複雑な地形が物語るように、文化も民族もインドであってインドでない場所なのです。
 まずはデリーで一泊しシッキム州へと向かいます。シッキム州はまだまだ知られていない場所。かつてそこにはチベット系の王が統治していたシッキム王国が存在していました。その王国は17世紀から1975年にインドに併合されるまで栄えた小さな王国です。現在地理的な問題から、この州に入るときには入境証が必要となりますが、観光においては何の問題もありません。チベット系、ブータン系、ネパール系の人々が多く、インドの多様性を改めて感じます。

 この旅の見所の一つは、世界第3位のカンチェンジュンガ峰(8586m)を望むこと。朝日に照らされて染まる山の頂を見るため、朝4時にホテルを出発。四駆に乗り込みタイガーヒルという展望台へと向かいます。身体を包む、しんとした冷え込み。瞬く星の眩しさに期待は高まります。美しい山を見るためにひたすら夜明けを待ちました。やがて来る白々とした夜明け。雲海は寄せては引く波のように、景色を変えていきます。その瞬間!雲の合間に見え隠れするカンチェンジュンガ峰!!!初めてその頂を目にした瞬間の感動と驚きはなんと表現したらいいのでしょうか。神々しいというのはこのことでしょうか。瞬間ごとに見え隠れする頂、その頂はご来光の上昇と共に淡くピンク色に染まっていきました。荘厳さと神々しさと美しさを携えた山の魅力と余韻に浸りながら、何か分からないものに感謝したい気持ちになりました。
 そしてもう一つの見所はトイトレイン。つまり、走る世界遺産として知られているダージリン・ヒマラヤ鉄道です。約60cmの線路は蛇行しながら標高差のある街々を通り過ぎていきます。蒸気機関車の窓を開ければ濛々とした黒い煙が流れていき、石炭の小さな欠片が飛んできます。横を行く自動車にはどんどん抜かされていきますが、そのスピードが何ともいえず魅力的です。時間だけでみれば非効率的かもしれません。列車は洗濯物をかすめるように走り、店先の商品すれすれを通り過ぎて行きます。一見すると危ないと思ってしまいますが、列車も人も互いに邪魔しあうことはなく、生活に、風景に溶け込んでいます。そんな光景がうらやましく、なんとも言えないのんびりした気分になれました。線路はあるべくしてある。そんな存在のように思えました。
 インドであってインドでない、雄大な自然と暖かさを感じられるダージリンとシッキムはインドの穴場です。是非ご自身の五感でその醍醐味を感じてみて下さい。(佐藤 亜紀子)

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