マスケラ(仮面)の街ヴェネツィアでカーニバルに酔いしれる
ヴェネツィア・ニース・マントンの祭典を巡るヨーロッパカーニバルツアーに行って参りました。今年は温暖化の影響か例年にない暖かさで、かつお天気も素晴らしく、カーニバルの祭典を思い切り楽しむことが出来ました。
今回は3つの街でカーニバルを鑑賞したのですが、最初に訪れた街ヴェネツィアは私たちを一気に謝肉祭に沸く夢幻の世界に惹きこんでくれました。ヴェネツィアに到着したのは夜。水の都を縦横無尽に張り巡らされた運河をボートでホテルに向かっていると、夜の闇の中ぼんやりと赤い街灯に照らされた橋の上を横切る影が。翻る黒いマントの影に白く光るバウータの仮面(貴族が愛用したことで流行したマスケラ)。とても現実のものとは思えないその光景に、いつもの現実とは違う空間にさまよいこんでしまったような感覚に陥りました。
翌日の天気は2月とは思えないほどの晴天。サン・マルコ広場に到着すると、すでに思い思いの仮装をした人々があちらこちらに見えます。広場にはきらびやかなマスケラを鈴なりにぶら下げた屋台が並び、行き交う人々の多くが仮面を身につけて楽しんでいます。しかし、やはり注目の的は全身完璧な衣装で固めた本格仮装の人々。回りを取り囲んだカメラに向かって見事なポーズを決めるその姿に歓声が上がります。聞けが、本格仮装の人々の多くが実はフランス人で、カーニバルにあわせて万全の準備でヴェネツィアに集まってくるそうです。カフェにもレストランにも様々な時代の衣装に身を包んだ仮装の人々が優雅に戯れていて、まるで自分がタイムスリップしてしまったような、愉快で不思議な気分を盛り上げてくれます。
夕暮れのリアルト橋にも古い家々の壁の間を縫う路地裏にも仮面を身につけた人々が溢れていて、いつものヴェネツィアとはまるで違う雰囲気に包まれていました。身分を隠すためにマスケラをして遊びに出かけたという中世の人々。マスケラで顔を覆った謎めいた風貌の人々が夜毎ひそかに行き交ったヴェネツィアの街に思いを馳せつつ、魔術的な魅力に満ちたヴェネツィアの空気にとろけていくような気持ちを味わえるのがカーニバルツアーの醍醐味です。(宮澤 詩帆)
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