2007年4月19日 (木)

ギリシア時代の落書き

20070419 先日、「サハラのオアシス・ガダメスとリビア探訪」のツアーから帰国いたしました。
リビアといったら古代ローマ遺跡というほど、リビアのローマ遺跡は保存状態の良さでも世界屈指のものを誇っております。今回は、リビアの有名で巨大な世界遺産のローマ遺跡の紹介をあえて避け、まだほとんど知られていない穴場の遺跡について少しご紹介させていただきます。

かつてギリシア人が北アフリカに作った5つの植民都市を「ペンタポリス」といいますが、今回のツアーではその5つの全てを訪れました。その中でもまだ発掘が進んでおらず、知られていないのが「トクラ遺跡」。
この遺跡では何が見られるか。正直、ほとんど何もないです(!?)
と 言っても、 本当に何もないのではなく(笑)、まだ大部分が地中に埋もれたままなので、目に見える部分は本当に僅か、という意味です。そのトクラ遺跡の中で、とても興味深いものを見つけました。
遺跡の中に、ギムナジウムという場所があります。ここは古代ギリシア時代、少年たちが身体や知性を磨くための修行の場でありました。特に体育の場としての役割が大きかったため、運動場というふうに訳されることが多いです。そこでは、少年達はもっぱら裸でトレーニングをしていたためもちろん女子禁制!少年達はここで日々体を鍛え、強く立派な軍人になる事が望まれていました。そして、他の少年に勝利することはとても大きな意味を持ち、やがて成長して軍隊に入り名声を上げる事が、当時の少年達にとっての大きな夢でもありました。
そのせいか、ギムナジウムの中で自分が勝利を収めると、記念にギムナジウムの壁に自分の名前を刻んでおくということが流行っていたようです。いつか、この名を世界中に轟かせようという野望を胸に抱いていた少年も少なくないでしょう。
このトクラ遺跡には、大きな野望を抱いた少年達がこぞって石に刻んだ自分の名前が、はっきりくっきりと、しかも沢山残っているのです。この運動場で、勝利した少年の嬉しい雄叫びや嬉し涙、負けたときの悔し涙、時には厳しい鍛錬のため血や涙を流した少年もいるかも知れません。少年達の、幼くて決して上手とはいえない文字、しかし強くはっきりとしたこの落書きから、目に見えない当時の人々の思いまでををひしひしと感じることができました。(安藤 幸子)

リビアのツアーはこちらから

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