2007年5月25日 (金)

空想と現実の交錯する街・マラケシュ

R0013137 先日、モロッコの添乗から帰ってまいりました。 この国では、先住民ベルベルの文化に、アラブやスペイン、フランスの影響を受けて多様性の深い文化が築かれてきました。 その独特な文化が世界中の旅人や芸術家の心を捉え、昔から多くの人々がインスピレーションを求めてこの地を訪れたといいます。

今回の旅の終盤で私たちが訪れた古都マラケシュはモロッコの中でもそうした雰囲気を深く感じさせます。オートアトラス山脈に背後を守られた平地にあり、山からの水の恵みを受けるマラケシュは、過去に3度王朝が置かれ、迷宮都市フェズと並んでモロッコの京都・奈良のような歴史の深い街です。

 

マラケシュの市内観光では最初にマジョレル庭園を訪れました。20世紀前半、建築家であり画家でもあるフランス人のジャック・マジョレルが、サボテンやヤシ、竹など世界中から植物を集めて造った異色の庭園です。なぜ、彼はわざわざモロッコにこのような庭園を?おそらくこの芸術家も、マラケシュの街に創造性を刺激され、彼の思い描く空間をここに具現化した一人なのでしょう。

そんな思いは、バイア宮殿からジャマ・エル・フナ広場まで、旧市街の裏路地を歩いている時によりいっそう濃くなっていきました。赤い壁の家にはモザイクと鋲で装飾された緑の扉、小さな店には見たことのない不思議な生活用品、オレンジの明かりのともる色とりどりの絨毯の店…。市場の通りに入ると、日差しよけの為に天井に渡された細木の隙間からもれる日の光、その光を受けてきらきらと輝く真鍮のランタン…。いつしか自分の心がこの異空間に溶けていくような感覚におそわれます。そして、ジャマ・エル・フナの喧騒が突然、現実に引き戻しました。

夕方の広場では、肉を焼いた煙がもうもうと立ち込める屋台が立ち並び、蛇使いや猿回し、大道芸人、占い師、へナアーティスト、水売り…、そして食事をする人や買物をする人、時間をつぶしている人達でごった返していました。マラケシュで暮らす人々の生活のすべてがそこにあるようです。

北アフリカの西の果てにあり大西洋に日が沈むモロッコは、しばしば私達の住む“日出づる国”と対照的に紹介されます。西の多様な文化を織り交ぜてできたようなこの国は、私達の感性とは正反対に位置するようでいてどこか懐かしい、そんな魅力的な国です。 (佐賀宏子)

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