2007年5月 7日 (月)

伝説の湖イシククル

070507_000 4月11日発「中央アジア5ヶ国大周遊17日間」のツアーより帰国致しました。イシククル湖には何度か行ったことのある私ですが、今回は今までに見たことのない、美しいイシククル湖を見ることができたのでご紹介したいと思います。

ここには伝説が残っています。山々に囲まれたある町に、わがままな王様がいた。彼は町に美しい女性がいると知り、家来に連れてくるよう命令をする。プレゼント等を贈って求婚したが、全く応じず。そこで、強制的に結婚させようとしたところ、彼女は山から飛び降りて自殺した。その時、周りの山から水が溢れ出て、町は底に沈んでしまった。湖の水が冬も凍らないのは彼女の心が今も生きているから。水がしょっぱいのは悲しむ彼女の涙のせいといわれている。

イシククル湖は別名熱海ともいいます。伝説もさることながら、海抜1670mに位置し、冬は気温が氷点下まで下がるのに、凍らないことからつけられた名前です。東西178km、南北60km、周囲700kmの巨大な湖で、最大深度は668m、平均水深でも228mあります。また、1リットルの水に6gの塩分が含まれており、なめるとかすかに塩の味がします。

玄奘の「西域紀」では、大清池としても登場します。玄奘がインドに向かう途中、天山越えの途中で多くの犠牲を出した後、やっとの思いでこの湖の東南に辿り着きました。シルクロード研究の第一人者・長澤和俊先生も、旧ソ連時代に何度もこの湖を訪れようとして許可が下りず、独立後に初めて足を踏み入れることができた湖ですが、現在は私達の様な外国人観光客でも気軽に訪れることができる様になりました。

イシククル湖では、湖畔のホテルに宿泊致しますので、早起きをして朝日を見に行くことができます。写真好きの方は皆様張り切って、朝日を浴びる湖をご覧に出かけられていらっしゃいました。

日中になると、強い日差しを照り返し、コバルトブルーの湖面がキラキラと、まるでブルーサファイアの様に輝きます。その後ろには頂上を万年雪に覆われたアラトー山脈が堂々たる姿を見せてくれます。山好き、湖好き、写真好きでなくても、思わずシャッターを何度も押してしまう美しさです。

イシククル湖はキルギスの重要な観光資源として現在、注目を浴びているところで、多くのホテルの建設計画も進行中です。まだ、観光地化していないこの時期に是非一度お出掛けください。(古橋奈緒美)

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