解禁!湖上のアルメニア教会(トルコ)
先日、「東トルコ周遊とネムルート山」のツアーから帰国いたしました。
標高が1500メートル以上の高原地帯である東トルコでは、5月~6月が春のお花の季節。今回のツアーでも、黄色や赤の野花が沢山咲いていたのが印象的でした。
今回の旅で、特に私が注目したのは、標高1800メートルにある美しい湖、ヴァン湖。大きさは琵琶湖の5.5倍もあり、トルコで最大の湖です。湖の水はとてもきれいなトルコブルー。石灰と炭酸塩が多く含まれるため、鮮やかな青色をしているそうです。
この湖に浮かぶアクダマル島という島には、10世紀頃、この地がアルメニア公国の支配下にあったときのアルメニア教会が残っています。かつて島にはお城などもあったそうですが、現在は小さな教会がぽつんと、本当にぽつん・・・と建っているだけです。小さな教会、その他は何も無い島。とても東トルコらしい島だと思います。
この教会は、とても小さいですがかなり見ごたえがあります。教会の東西南北の外壁が、様々なレリーフで埋め尽くされているのです。アダムとイブ、アブラハムとイサク、ダビデとゴリアト、ヨナと巨大な魚など旧約聖書の中のお話、キリストと天使、聖人たち、教会の建設を命じた王様ガギグ1世、動物、植物などなど、見ていて楽しくなるようなかわいらしいレリーフばかりです。
このような、美しいレリーフが間近に見られるようになったのは、つい最近のこと。それまでは長い修復作業が続いていたので、昨年は教会の周りに鉄柵が張り巡らされ、近づく事ができませんでした。今年5月に修復が終わったばかりで、修復したての美しい教会がご覧いただけるのは今年から!
内部のフレスコ画も修復されたそうですが、こちらのほうはまだ大部分が剥げて薄くなったものばかりでした。やはり見所は外壁のレリーフです!
生まれ変わったばかりの、このアルメニア教会。訪れるなら今年のシーズンに 是非一度!東トルコのベストシーズンはこれからです!そして、まだまだ観光地化が遅れている東トルコ。観光地化が進んでしまう前に、草ボウボウの荒野の遺跡、丘の斜面いっぱいの羊の群れ、素朴であたたかい人々の笑顔に、会いに行きませんか?
担当添乗員 安藤
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