2007年7月 2日 (月)

アルプスの奥地でユニークな教会巡り

Dsc_0030_2 北イタリアの湖水地方。私たちは湖と眼下の町を一望する山の中腹に辿り着きました。森の空気を深く吸い込んで一息つくと、吹き抜ける初夏の風が心地よく、ここまで登って来た疲労感もどこか吹き飛んでしまいそうな爽快感に包まれます。ここまで息を切らしながら登ってきたのは、12世紀初頭に描かれたサン・ピエトロ・アル・モンテ教会の素晴らしいフレスコ画(左の写真)を見る為でもあります。

800年前のものとは思えない色の鮮やかさ。そして大胆な構図。仰ぎ見た瞬間は誰しも息を呑み、心を揺さ振られて、圧倒されるほどの迫力があります。こんな片田舎の山奥にひっそりと秘宝が眠っているあたりはさすが芸術の国イタリア。奥深さを改めて実感しました。 もうひとつ、強烈に印象に残った教会が南スイスのジョルニコにあります。牧歌的な風景に溶け込んでいる、小さな聖マルティン教会です。ここの見どころは12世紀のユニークな天井画。天井一面が153枚のパネルに分かれており、それぞれにイエス・キリストや聖マルティンの生涯、当時外海にいたと信じられていた珍妙な怪物などが生き生きと描かれています。洗練されてはいませんが、素朴なタッチで力強い作風が印象的です。ずっと天井を見上げていると、首の痛さも忘れていつの間にか中世の人々の不思議な世界観に引き込まれていくようです。 「ロマネスク教会を訪ねる旅」というと、どうしても宗教的なイメージが先行しがちですが、今回私がご案内してきたアルプス・ロマネスクの旅は、そんなイメージを根底から覆すほどの素晴らしい旅でした。辺境に残るロマネスク教会を訪れることは、同じくして自然を楽しみ、素朴な小村を訪れ、更にその土地の人々と美食との出会いでもあるのです。 イタリア大好き人間、そしてロマネスクファンはもちろん、自然や山が好きな方、ヨーロッパの小村巡りが大好きなお客様も魅了してしまうアルプス・ロマネスクの旅へ、是非出かけてみませんか?

担当添乗員 上田

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