2007年7月19日 (木)

パンの冠の重さは30キロ!タブレイロスの祭典(ポルトガル)

Tb タブレイロス祭をご存知だろうか?ポルトガルのトマールという町で4年に1度開催される幻のお祭である。2007年はそのタブレイロス祭が開催される当たり年。いつもは静かなトマールは、ポルトガル中から集まってきた人と外国からの観光客でごったがえしていた。色とりどりの造花と生花で飾られた路地。路地を覗く度にそれぞれ違ったディスプレイが目を楽しませてくれる。家々のバルコニーにはテンプル騎士団のテーマカラーでもある臙脂色と白のベッドカバーがかけられ、風にはためいている。

祭りのメインイベントであるタブレイロスパレードは大聖堂広場までの通りを練り歩く。パンと花で飾られた皿を頭に載せた500人近くの女性が繰り広げる壮大なパレードだ。パンと花、と聞くとなんだか可愛らしいものを想像しがちだが、実はこのタブレイロス、そんな生易しいものではない。皿というよりも植木鉢のようなバスケットにうずたかく積み上げたパンは高さ160センチに及ぶ。パンとパンの隙間を花で彩り、てっぺんに冠か精霊の鳩を飾る。重さにして約30キロ。この巨大なパンと花のオブジェを頭に載せ、5キロ近くも炎天下を練り歩く。はっきり行って苦行である。もともと土着の民間信仰(収穫祭)にキリスト教の要素が加わったのが祭の起源。そして15世紀のポルトガル女王イザベラが貧しい人々にパンを配ったという話がもとで誕生したのがこのタブレイロスのパレードだという。なぜわざわざこんな高さにまでパンを積み上げることになったのかは謎だが、見ごたえは十分。この迫力あるパレードは21世紀の今も人々を惹きつける。
広場の入り口でパレードが到着するのを待つ。気温はぐんぐん上がり30度を超えた。この暑さの中を行進するパレードの先頭がついに目に入る。想像以上の大きさと華やかさだ。タブレイロスの高さは頭に載せると3メートルを超える。人ごみの間からでもはっきり見える大きさだ。頭に皿を載せた女性達はパレードの終点である広場を目前にして笑顔をみせる。しかしここまでの長い道のり、30キロの重さ乗せた頭の疲労は想像以上だろう。頭上の鉢を支える両手は血の気もうせて真っ白だ。隣りでは滴る汗を拭いたり、バランスを崩しそうになったときにサポートする男性が一人ずつついているが、決して一緒に運んだりはしない。この行列は志願制だという。ポルトガルの修道院では願をかけた人々が聖堂まで膝で歩いたり、階段を膝で昇ったりする様子を見かけるが、このタブレイロスもまた、心に願いを持った女性がその成就のための厳しい儀式なのだ。想像を絶すると思われるその苦行を華やかで力強い笑顔で乗り切るトマールの女性達。大航海時代、大海原に乗り出す男達を影で支えた逞しいポルトガル女性の姿がそこにあった。

担当添乗員 宮澤

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