孤高の要塞、マサダ(イスラエル)
先日、『イスラエルヘの旅8日間』の添乗に行って参りました。8月のイスラエルは鋭い日差しと乾燥した気候ですが、湿気の多い日本の真夏に比べれば 幾分過ごしやすいかもしれません。
ツアーは、イエス・キリストが伝道活動の拠点としたガリラヤ湖、
かつてのユダヤ人の王国の繁栄とその後の激動の歴史を思わせるエルサレム、そしてリゾート気分を味わえる死海を回りますが、その中でも特に印象に残ったのが死海の隣に位置するマサダ。
マサダは、エアーズ・ロックのようなテーブル台地。頂上は海抜50Mにしかならないものの、眼下には海抜マイナス400Mの青空の色をうつした死海と塩を含んだ荒野の地平線が広がります。 ロープウェイで一気に450Mの高さを昇ると、頂上にはなんと紀元前1世紀、ヘロデ大王の世に築かれた宮殿と要塞の跡が残っています。
紀元後1世紀のイスラエルはローマ帝国の支配が強まり、かつてソロモン王が建設したイスラエル王国の象徴ともいうべき神殿を擁するエルサレムが陥落した後も、最後まで隷属を拒んだユダヤの民が立て篭もり抵抗を続けたのがこの宮殿要塞です。ローマの軍隊がこの砦を囲み孤立したユダヤ人たちは、己の誇りを守るため食糧が尽きる前に自らの命を絶ち果てたという、壮絶な歴史が残ります。
現代でも何かと話題の絶えないイスラエルですが、訪れてみれば意外にも果てしない蒼空と大地が心に和らぎをもたらしてくれます。“神の国”イスラエルは、仏教徒でも神道の徒でも一度は訪れる価値ありです!
担当添乗員 佐賀
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