地中海の美島、サルディーニャとコルシカ
この島を訪れる殆どの観光客はヨーロッパからの旅行者で占められており、みんな真っ青な海とビーチを目当てにやってきます。
そんな中で我々ユーラシアの一団は歴史・文明の探求にこだわり、真っ青なビーチには目もくれず、伝統文化が残っている内地を目指します。そこがヨーロッパ人には理解し難いようで、「夏のバカンスシーズンにあえて博物館や山岳地帯を巡る日本人ご一行様」として地元テレビ局も取材もやってくるほど。両島ともに長い歴史の中で常に外敵は海から襲ってきたので、島民達は敵がやってくる「海」というものを基本的に信用していないようです。山に隠れ住んだ島民たちの伝統的な生活や文化、古代の遺跡などは全て内陸の山間部に多く残っているという訳です。日本と同じく四方を海に囲まれているのに、島民たちは海からの産物は好まず、むしろ山の羊や牛、ソーセージを好んで食べているくらいなのです。だから、この島々を知るためには是非とも内陸へ足を運ぶ必要があるのです。
四国と同じ大きさのサルディーニャ島には古代、驚くべき巨石文化が存在していました。紀元前6000年に巨石を積み上げて造った大きな要塞跡、そして紀元前1200年頃の「ヌラーゲ」と言われる石の見張り塔は島内に7000もゴロゴロ転がっています。ほのぼのとした今の島民たちの先祖とは到底信じられないほどの高度な文明であったことがうかがえます。車窓からは羊飼いの放牧やコルク樫やオリーブ、サボテンなどのどかな風景が刻々と変化してゆきます。
フェリーでコルシカ島に渡ると海からの来襲に備え、絶壁の海上に迫り出すようにして造られたボニファシオの旧市街が見えてきます。万が一、敵が町中になだれ込んで来ても、さらに敵の侵入を食い止める急傾斜の階段など複雑な歴史を歩んだ島ならではの珍しい町の構造が残っています。また、数億年前に形成された珍しい地形がそのまま残っている世界遺産の絶景ポルト湾などビーチ以外にも隠れた魅力が沢山埋もれています。
今回の夏の旅でサルディーニャ、コルシカの一番の印象は何と言っても、紺碧の地中海と澄んだ青空でした。
担当添乗員: 上田
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