チベット族と雪頓節
先日、「青海チベット鉄道で行く!チベット大周遊」のツアーより戻りました。通常、このコースは12日間ですが、今回は雪頓節というお祭りの観光を加えて、13日間の日程でのご案内となりました。
チベットを旅行しているとチベット人の信仰熱心さに驚かされます。例えば青海チベット鉄道に乗って車窓風景を楽しんでいると、鉄道に沿うように走っている青蔵公路を五体投地で進む人たちを見かけることがあります。
彼らは、ラサへ巡礼に行くのに、バスや飛行機、列車といった乗り物は利用せず、五体投地で行くのです。寒暖の差が大きく、乾燥した厳しい気象条件の中、普通に歩いて行く事でさえ大変なのに、時間と体力を消耗する方法で進むのです。大変強い意志が必要となります。
また、各寺院を見学していても、五体投地して祈る人々や持参したバターをバター灯に加えてお祈りをする人達、決して豊かな生活ではないのに、お賽銭は惜しみなくする人々、携帯用マニ車を絶えず回し続けている人・・・チベット人にとってチベット仏教が日々の生活の中で大きな位置を占めていることを伺い知ることができます。
そして、チベット人にとって最大のお祭りの雪頓節。雪頓節=ヨーグルト祭は、厳しい修行を終えたお坊さんたちを家族がヨーグルトを持って出迎えたことが起源です。肉を食べないお坊さんにとっては、ヨーグルトは最高のご馳走だったのでヨーグルトを用意してで迎えた、という訳です。このお祭りの最大の見所はデプン寺でのタンカの開帳です。早起きをして日の出前にホテルを出発し、真っ暗な中、タンカの開帳の会場へ。タンカを運び出すところを眼の前に見る事が出来ました。タンカは日の出と同時に開帳する予定だったのですが、今年は要人が遅れた為開帳も少し遅れ、8時30分頃でした。チベット人の中にはこのタンカを見るためにわざわざ田舎からやってきた人達もたくさんいます。タンカを見ることができたチベット人はみんな幸せそうです。チベット人にとっての大切なお祭りを見学させてもらったことで、ただ、観光地を回るだけでは感じることの出来ない、チベットの心に触れることができたような気がしました。
今、チベット人はインドをはじめとする外国へ亡命する人が増える一方、漢民族のチベットへの流入が進んでいます。この状態が進むと、チベットらしさがどんどん失われてしまうと懸念されています。チベットらしいチベットをご覧になりたい方は是非、お早めにお出掛けください!
担当添乗員 古橋
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