2007年10月19日 (金)

変わりゆく九寨溝・黄龍、そして三峡(中国)

Kyusaiko この度、「神秘なる九寨溝と雄大なる三峡 10日間」より帰国致しました。ここ10年くらいで中国において1、2を争う人気観光スポットとなった九寨溝・黄龍と、昔ながらの長江三峡をクルーズ船で観光するツアーです。

個人的な話になりますが、私が初めて九寨溝・黄龍及び三峡に訪れたのは5年前(2002年)のことでした。

まずは九寨溝・黄龍。四川省の省都・成都から北へ約400kmのところに位置していますが、当時は往復ともバスで現地まで参りました。道路状態は悪くないのですが、途中がけ崩れや交通渋滞(何せこの時期は全ての観光客はバスを使わざるを得ませんでしたから)で立ち往生することもしばしばありました。

Koryu そんな不便さもありましたが、2003年に九寨溝黄龍空港がオープンし、成都からわずか1時間足らずで現地に赴くことができるようになりました。また黄龍に関しては、入口(標高3100m)よりゴール地点の五彩池(標高3550m)まで約4kmの道のりをかけて2~3時間かけて歩いて上がって行きました。特に最後の500mは階段も多く標高の高さも相まってぜいぜいしながら登ったものでした。それが昨年の8月にロープウェイが完成しました。少し離れたところにあるので、ロープウェイの頂上駅から五彩池まで道のりは約2kmありますが(1時間~1時間半)、平坦な道のりですのでほとんど心臓に負担がかかりません。ちなみに下りは従来の遊歩道を通り、途中の美しい風景をご覧頂きながら下の入口まで歩いて戻ります。このようにまわりの環境の変化は大変著しいのですが、九寨溝の木々の間を水が流れていく壮大さやエメラルドグリーンの水の色、黄龍のいくつもの石灰棚に溜まっているコバルトブルーの水の色などの美しい自然風景は以前のままです。

Sankyo_cruise 続いて三峡ですが、2003年より三峡ダムの貯水が開始されることに伴い、三峡近辺の長江の水位が上がり風景が変わるということで、その前年(2002年)は「最後の三峡」と謳われ一大ブームとなりました。しかし本当に「最後」なわけではなく、貯水が始まってから、確かに風景は変わりましたが、決して興ざめになったわけではありません。いや、かえってメリットのほうが多いかもしれません。例えば三峡クルーズ中に、三国志の武将劉備玄徳の終焉の地・白帝城に訪れますが、かつては約800段の階段を上がらなければなりませんでしたが、現在は500段弱で済みます。さらに貯水は2009年に完了するそうですが、完了後その周辺は大きな湖になりその中にいくつかの孤島が点在するそうです。その様子をぜひとも見たいと思うのは私だけではないはずです。また、三峡ダムの五段シップゲートも開通し、クルーズ船のスケジュールにもよりますが、そこを通過する様子もご覧頂けます。まずは6隻くらいの大型船がゲートの中に入り、後方の門が閉まります。すると水位がどんどん下がっていき、一定の量まで下がった後、前方の門が開き船は前に進みます。この一連の流れが5回繰り返されるわけですが、船のデッキに出てこの様子をご覧頂くができます。特に水位が下がっていく場面は船ごと巨大なエレベーターに乗って下りているかの如く壮大です。

成長著しい中国では、5年も歳月が経てば何事においてもいろいろと変化していきます。先述の通り、九寨溝・黄龍は周りの環境が、三峡は貯水に伴い風景が変わってきていますので、以前訪れたことのある方もこの変化を実感するべく再訪してみるのも面白いかもしれません。

(斉藤信)

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