2007年11月19日 (月)

沙漠と海の国より、異界へ旅する(チュニジア・リビア)

Bedwin 先日「チュニジア・リビア物語」より帰国いたしました。紀元前より海の商人フェニキア人たちの交易拠点として栄え、ポエニ戦争でのカルタゴ没落を経て、ローマ時代には殖民都市として大いに栄えた沿岸部の諸都市は、ヴァンダル族によって東ローマ帝国支配に終止符が打たれた後、1000年以上の時をひっそりと砂の中で過ごしていました。

ローマ時代に町の中心広場を囲っていた飾りつきの大理石の柱のいくつかは、イスラーム教のモスクで天井を支えるようになりましたが、ローマのポンペイ遺跡がそうであるように、チュニジアからリビアにかけてのローマ遺跡の大部分もまた、砂の下で眠っていたため最良の状態で保存され、発掘作業を経た現代では、美しいモザイクや巨大な円形劇場など、当時の人々の生活と文化の水準の高さなどを目の当たりにすることができます。

 このような北アフリカ(マグレブ=陽の沈む土地とも呼ばれます)のローマの大都市はフェニキア時代より人の住んだ土地、特に地中海沿岸部に築かれました。チュニジアもリビアも、その国土は海と対して沙漠とも接していて、いずれの国も古くより、内陸と海とを繋ぐ交易によって栄え、発展してきました。

Leptys_theater ローマの街を沈めた砂のふるさと、海のように広がり町と町とを隔てた沙漠。かつて隊商乗せ沙漠を渡り「沙漠の船」と呼ばれたのがラクダです。現在では観光資源のひとつとなってしまいましたが、チュニジアの沙漠をラクダに揺られて散歩した時間は、往時には命がけで沙漠を越えた隊商たちに思いを馳せる貴重なひとときでした。お陰様で風も強くなく、比較的気のいいラクダで(ラクダにも一頭一頭個性があり、顔や毛並みだけでなく歩き方にも癖があって、観察していて飽きることはありません。)るんたるんたと楽しそうに歩くラクダに揺られ、白く乾いた砂丘を眺めていると、とてつもない距離を旅してきた実感と、風に運ばれてゆく砂粒の行方が頭をよぎり、眩暈がしてくるような気さえしました。

 日本とは全く違う異界、マグレブの旅へお越しの際には是非、海の見えるローマ遺跡と沙漠とに足をお運び下さい。

(山岸青霞)

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コメント

ハルカさんお帰り。チュニジアからの絵葉書は無事に届きました。ありがとう。なんとチュニジアとリビアは次回にでもと練っていたところにこの便りでした。今年モロッコそしてシリア・ヨルダンと遺跡と砂漠にすっかりハマってしまったので仕上げにチュニジア・リビアは是非行きたいですね。
オフィスではニヒルな笑いをうかべているとか・・・ブログ読みました。おもしろい。

投稿: nob | 2007年11月19日 (月) 16時39分

nob様
ご無沙汰しております。絵葉書が無事に届いたと聞き、ホッと一安心です。
巨大遺跡と沙漠と海の旅、チュニジアもリビアも最適ですよね。
テントに泊まりながらリビアの奥深く、沙漠を堪能する旅もお勧めですよ!

ニヒルな笑いを浮かべている自覚はないのですが……オマーンの項は事実です。
近々お弁当コンテストにも参戦しようと思っておりますので、どうぞお楽しみに!

投稿: 山岸 | 2007年11月19日 (月) 23時13分

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