「カスバの女」モロッコにて
先日、モロッコ14日間のツアーより帰国いたしました。モロッコの見所は一言では言い尽くせませんが、今回はモロッコのカスバについてご紹介いたします。
「カスバ」と言うと、「カスバの女」の歌を思い出す方が多いかもしれません。カスバは北アフリカ諸国にあり、国によって旧市街全体を指したり、ひとつの建物を指したりと、とても広い意味で使われています。ちなみに「カスバの女」のカスバは、アルジェリアでのお話なので、おそらく旧市街全体のことを示していると思われます。モロッコの旅では、沢山のカスバに出会います。その中でもやはりモロッコならではの見所の一つが「カスバ街道」。この場合の「カスバ」は、一つの建物を指しています。
17世紀以降、サハラ縦断交易路の中継地として栄えたモロッコ南部の砂漠のオアシスには、交易によって富を築いた大富豪が沢山住んでいました。彼らは自分の財産を守るため、家の外壁を高く厚くし、家そのものを要塞のように頑丈に造りました。その要塞型住居が、モロッコで見られるカスバです。
カスバ街道には、かつてオアシスに沿って千を超えるカスバが点在していたそうですが、今現在は廃墟と化したものばかりです。残念ではありますが、ちゃんと名残は残っています。バスの移動途中、「あ、カスバだ!」「あ!あれも!」「ここにも!」と、カスバを見つけると声が上がります。カスバ街道はとても長いので、一日かけて移動をしますが、窓の外を眺めていると、ポツリポツリとカスバが目に入ってきてとてもモロッコらしい景色をご覧頂けます。
そして、最も美しいカスバは何と言っても世界遺産の「アイト・ベン・ハッドゥ」です。廃墟のカスバを沢山見てきたせいもあり、この美しいカスバの集合体を見たときはまさしく感動!ここは、カスバが沢山集まった村で、今でも日干し煉瓦のカスバに人々が生活しています。電気や水道が通っていないので、ロバやラバ頼みの生活です。村の中は沢山のカスバをぬって小道が走り、中世にタイムスリップしたような不思議な感覚。映画のセットの中を歩く主人公のような気分です。皆様もこのカスバの村を訪れ、ベールをかぶってカスバの女になってみませんか?
年明けの1月からは、カスバ街道のオアシスにアーモンドの花が咲き、日本より一足早いお花見もお楽しみの一つですよ。旅のご参加、お待ちしております。(安藤)
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