2007年12月 3日 (月)

貴州省の七五三!?西江・苗年祭

Saiko_nyaonen

先日「貴州省の少数民族を極める」の旅より帰国いたしました。

今回のツアーでは、苗年(みゃおねん)祭という一年に一度行われる、苗族の新年のお祭に、皆様をご案内させて頂きました。

この「苗年祭」を見学する為に、雷山から、普段は静かな片田舎の町、西江へ向かいます。山道にバスは揺られ、風景は、アパートや商店が立ち並ぶ街の風景から、のどかな田園風景へ変わり、いよいよお祭りへ期待も高まります。

さて、この「苗年祭」ですが、「何時から始まる」という事が決まっていません。地元の人たちさえも、何時から始まるのか、正確なところは知らないのです。村の少女達がおめかしをし、準備が整ったら村の広場へ行き、何となく人数が集まってきたら蘆笙の音楽と共に踊りだし、飽きたら勝手に帰り、誰も居なくなったら終わる、という自然発生的なお祭りなのです。

 ツアーは、西江の村に到着しました。まだお祭りは始まっていなく、広場には誰もいません。一体どんな踊りが繰り広げられ、どんな出し物が行われるのか。それはお祭りの参加者の気分次第なので、誰にも分かりません。今は誰もいない広場に、期待に胸が膨らみます。

 午後3時30分頃、銀の冠に銀の首飾り、赤上着に精緻な花の刺繍を施した長いスカート・・・「長裙苗族」の正装を身に纏った一人目のお祭りの参加者が、やってきました。両親に連れられた、まだ小さい女の子です。

 一人目の参加者ですから、観光客が「写真を撮らせてくれ」とその子に殺到します。その子は、お洒落をした自分の姿を取ってもらおうと、得意そうに色々なポーズを取ってくれました。また、自分の子供の晴れ姿に撮影の申し込みが殺到するのを、その子の両親が得意そうに眺めていました。

 ふと、日本で七五三の季節になると、晴れ着を着た子供を、外国人観光客が写真を撮っている光景を思い出しました。着物を着た可愛いわが子を写真に撮られて、その両親が得意であるように、きっと苗族の両親にとっても自慢の子供達なんだろうなぁと思いました。

 さしずめ、「苗年祭」は、貴州省版七五三といったところでしょうか。

 日本でも、一般の人は七五三や成人式のとき位しか着物を着ないように、貴州省でも「お金がかかる」「面倒くさい」と言って、民族衣装を身に着けない人々が増えつつあるのだとか。こんな素敵な民族衣装なのですから、是非積極的に身に付けて、伝統を守ってほしいと願いながら、私達は村を後にしました。

(荒井 千穂)

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