貴州省の七五三!?西江・苗年祭
さて、この「苗年祭」ですが、「何時から始まる」という事が決まっていません。地元の人たちさえも、何時から始まるのか、正確なところは知らないのです。村の少女達がおめかしをし、準備が整ったら村の広場へ行き、何となく人数が集まってきたら蘆笙の音楽と共に踊りだし、飽きたら勝手に帰り、誰も居なくなったら終わる、という自然発生的なお祭りなのです。
ツアーは、西江の村に到着しました。まだお祭りは始まっていなく、広場には誰もいません。一体どんな踊りが繰り広げられ、どんな出し物が行われるのか。それはお祭りの参加者の気分次第なので、誰にも分かりません。今は誰もいない広場に、期待に胸が膨らみます。
午後3時30分頃、銀の冠に銀の首飾り、赤上着に精緻な花の刺繍を施した長いスカート・・・「長裙苗族」の正装を身に纏った一人目のお祭りの参加者が、やってきました。両親に連れられた、まだ小さい女の子です。
一人目の参加者ですから、観光客が「写真を撮らせてくれ」とその子に殺到します。その子は、お洒落をした自分の姿を取ってもらおうと、得意そうに色々なポーズを取ってくれました。また、自分の子供の晴れ姿に撮影の申し込みが殺到するのを、その子の両親が得意そうに眺めていました。
ふと、日本で七五三の季節になると、晴れ着を着た子供を、外国人観光客が写真を撮っている光景を思い出しました。着物を着た可愛いわが子を写真に撮られて、その両親が得意であるように、きっと苗族の両親にとっても自慢の子供達なんだろうなぁと思いました。
さしずめ、「苗年祭」は、貴州省版七五三といったところでしょうか。
日本でも、一般の人は七五三や成人式のとき位しか着物を着ないように、貴州省でも「お金がかかる」「面倒くさい」と言って、民族衣装を身に着けない人々が増えつつあるのだとか。こんな素敵な民族衣装なのですから、是非積極的に身に付けて、伝統を守ってほしいと願いながら、私達は村を後にしました。
(荒井 千穂)
| 固定リンク
「中国・モンゴル情報」カテゴリの記事
- 山奥にたたずむ要塞?客家土楼とそこで暮らす人々(中国)(2017.12.26)
- まるで巨大エレベーター?三峡ダムシップロック通過(中国)(2017.12.21)
- 青空の中の麦積山石窟へ!(2017.10.03)
- 馬乳酒をご存知ですか?~モンゴル・ゲル体験~(2017.09.14)
- 高山植物と青空の四姑娘山を満喫!(2017.08.17)
「世界のお祭り情報」カテゴリの記事
- モンゴルの国民的祭典、ナーダム祭(2017.08.09)
- チェスキークルムロフの“薔薇祭り”にて中世にタイムスリップしてきました!(2017.07.13)
- 一足早い夏祭り、リスボンで一番盛り上がる聖アントニオ祭(別名イワシ祭り)(2017.07.05)
- バラ摘み体験とパレードを堪能!カザンラクのバラ祭り(ブルガリア)(2017.07.04)
- 「中世の雰囲気を味わうことができるタリンの旧市街祭り!(バルト三国)」(2017.06.29)
「世界の文化情報」カテゴリの記事
- 技術の国で「大人の社会見学ツアー」開催!!(ドイツ) (2017.03.31)
- クリスマスに訪れた五島列島、心癒される教会群巡り(2016.01.08)
- 2000年もの時をかけて造られ、守られているフィリピン、ルソン島北部の棚田(2015.03.18)
- モンゴルの移動式住居「ゲル」(ユーラシア旅行社で行くモンゴルツアー)(2014.07.08)
- 次期世界遺産候補、ドンラム村を訪ねて(ユーラシア旅行社で行くベトナムツアー)(2014.03.05)
コメント