2008年1月30日 (水)

孤高のヒンバ族に会いに行こう(ナミビア)

Namibia  先日、「幻想のナミブ砂漠とヒンバ族を訪ねて 10日間」の添乗より帰国致しました。
ナミビアと聞いて、「どこにあるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それもそのはず。ナミビアという国が誕生したのは1990年で、独立からまだ20年も経過していないからです。以前、日本でアンケート調査が行われ、位置まで知っていた人々は、全体の10%にも満たなかったという結果が出ました。
 

南アフリカ共和国の北に位置するナミビア。まだまだ開発の進んでいない国という印象を持たれる方が多いかもしれませんが、実は首都ウィントフークは高層ビルが立ち並ぶほどの大都会になっています。しかし、それもまだまだほんの一部の地域にすぎず、少し郊外へバスを走らせれば、見渡す限りの大草原や荒々しい大地が剥き出しになっている風景が広がります。そんなナミビアの二大名所が、今回のご旅行のツアータイトルにもなっているナミブ砂漠とヒンバ族。ナミブ砂漠は最近では、度々メディアに登場するほど有名になってきました。今回はまだまだ知られていないヒンバ族をご紹介させて頂きたいと思います。
  ヒンバ族の人々が生活する地域はナミビアの北部のカオコランド地方と呼ばれ、アフリカ系の人々とヒンバ族が共生しています。カオコランド地方には、ヒンバ族の村が点在しており、私たりのグループが訪れたのは、村民が15人ほどの小さな村でした。しかし、「日本人が来たぞ」という噂が他の村々にも伝わり、最終的には60人ものヒンバ族との交流ができました。
ヒンバ族の女性は、上半身が裸で、オカと呼ばれる赤い粉と牛脂を混ぜたもの全身に塗っています。これは、伝統として受け継がれ、文明が進んだ現在でさえ守り続けられています。このオカの秘められた効力は、防寒、虫除けや日焼け止めなどがあり、生涯一度も水浴びをしないヒンバの女性の肌を守っています。ヒンバの女性は他の少数民族と比べても美人が多いと言われているのも、オカのおかげかも知れません。
ヒンバ族と同じルーツを持ったヘレロ族という民族もいます。この民族は、かつてはヒンバ族同様に、伝統的な生活をしていましたが、ヨーロッパ諸国による植民地化の流れの中で、伝統的な生活を捨て、洋服を身に着ける道を選びました。近年、ヒンバ族の中にもこうした近代の生活を選ぶ若者が増えてきており、次第に伝統が失われつつあります。さらには、ナミビア政府による巨大ダム開発が計画され、家畜を育てる為のヒンバ伝統の土地がダムの下に沈んでしまう可能性が示唆されています。ヨーロッパ諸国の呼び掛けのおかげで、まだ実行はされていませんが、それも時間の問題と言われています。もし、実行されてしまえば、ヒンバ独自の生活は、間違いなく薄まってしまうでしょう。
近年、ヒンバ族を訪れる観光客が増えています。そのため、ナミビア政府もダム建設を延期せざる得ない状況となっています。しかし、その反面で、観光客が訪れすぎるために、近代文明に感化されてしまうヒンバ族の若者がいます。
失われてしまうかもしれない伝統的な生活。皆様にも是非訪れて頂き、その国の現状を肌で感じて頂ければと思います。

(吉村 和馬)

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