心・和む・ラオス
先日ラオスのツアーより帰国いたしました。
他の東南アジア諸国とは異なり、都会さとは無縁で、素朴さや慎ましさが今も多く残るラオスには、私たちの求める「ふるさと」のような優しさがあり、年末年始を過ごすにはとてもふさわしいと感じました。
日本では、日々の心がけの積み重ねで、誰しも仏になることができると考える大乗仏教が主流ですが、ラオスでは、厳しい修行を積んでこそ仏になることができると考える上座仏教が主流です。
ラオスを旅すると行く先々の町に、村に、集落に、人が住まうところにはまず寺院があります。
どの地域でも、その地域に住む人々が寺を建て、僧侶に供物をささげ、生涯僧侶を敬います。寺や僧侶は人々の信仰の支えとなり、仏事を取り持ち、時には祈祷により病をも治す…その信頼関係を端的に見られたのが早朝の托鉢の風景でした。
朝、太陽が昇ると静かに寺から太鼓の音が鳴り、僧侶が托鉢に出る仕度を始めていると人々に告げます。そして序列に沿って托鉢を持つ僧侶達が地域を回り、その日の糧を乞い、人々にはそのお礼として経を唱えて幸福を祈ります。
それは日々繰り返される営みですが、心に沁みたのが元旦の朝の出来事でした。
日本ほどは寒くない早朝に、メコン川の彼岸に昇る初日の出を拝んでいると、此岸には托鉢僧が現れ、人々のために祈ってゆきました。
悠然と流れる川とそれを照らす朝日、照らされる人々と歩いてゆく僧侶の衣もまたオレンジ色で、この年の始まりをとても神聖な気持ちで迎えることができました。
悠然と流れるメコン川の中流域に広がるラオス。のんびりとした素朴な人々や景色にぜひ会いにいらしてください。
華やかな観光地には、徐々に開発の波が迫っている印象を受けました。
どうぞこの優しい「ふるさと」が、穏やかに未来に続いていくようにと、やさしい顔の仏像の掌に、プルメリアの花をそっと預けて祈りました。
(山岸)
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