人生で大切なのはお葬式~インドネシア~
このたび2月9日発『インドネシア大周遊10日間』の添乗から戻りました。この旅では島国インドネシアの3つの島を巡りました。バリ島、ジャワ島、そしてスラウェシ島。どの島も魅力的な観光地ですが、特に印象に残ったのはスラウェシ島。スラウェシ島のウジュンパンダン空港から中型バスで約8時間移動して目的地のタナ・トラジャに到着。
翌日タナ・トラジャの小さな村々への観光に出発!そこで目にしたのはこんな山奥に船?!いえいえそれは現地の人の住居である舟形家屋トンコナン。高床式の家なのですが、その住居となる家の形はまるで船。空に突き出すような反り返った屋根は下から見上げてその裏側をみると屋根が竹で出来ているのがわかった。その屋根を構成する竹はまるで籠が編まれているように美しい。建物の壁板も鮮やかな紋様が施されている。赤・黄(土)黒(炭)白(石灰)の色で描かれ年月が建った家ほど趣深い。
またタナ・トラジャに住む人の価値観はお葬式にあり。一生懸命せっせと働いてお金を貯める、そしてお葬式にぱーっと使うのだ。タナ・トラジャのお葬式は豪快だ。葬式を行う家族は水牛数百頭、豚1000頭を買い、そして殺して、それを村人に振舞う。殺された水牛の角はトンコナンの家の外柱に付けられ、それで裕福な家かが分かるのだ。私たちがタナ・トラジャに滞在しているときはお葬式にはあわなかったが、欧米の観光客はお葬式見たさに何週間も滞在するとか。想像するだけでもすさまじい光景が脳裏に浮かぶものだが・・・。「みんなお葬式のためにお金を貯めるので人々の外見や普段の生活からでは誰がお金持ちか分からない」とガイドさんは言った。世界には不思議な価値観や思想を持つ人々の暮らす地域があるものだ。
長い移動の果てに到着するような場所だから息づく昔からの伝統・慣習。価値観の違う人々の暮らしを見て、自分たちの価値観や生活を改めて見直せたり、そこから尊いものを感じたり。タナ・トラジャの滞在は数日だがいろんなものを得られたと思いました。
インドネシアはこれからが乾季です。インドネシアは暑いのでは?と思われる方もタナ・トラジャは標高が高く涼しい気候、まさにインドネシアの秘境の避暑地。夏のご旅行にインドネシアもご検討のうちに・・・。
添乗員:高橋 景子
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