2008年4月25日 (金)

コスタリカのもう一つの魅力

Costarica_quetzal 先日、「コスタリカ物語 15日間」の添乗に行ってまいりました。エコ・ツーリズム発祥の地として、豊かな自然で知られるコスタリカですが、その地形と歴史から形成された現代の姿は中米でも類を見ない興味深い国です。国土の中央を縦に貫く火山の山脈が、太平洋側の乾燥した気候とカリブ海側の熱帯の気候を分ける天然の壁になっていますが、国の幅は広いところでも230kmほどしかなく、2、3時間でみるみる変わる多様な景色に移動中も飽きることはありません。

 Costarica_turtuguero ツアーの観光内容は大自然に分け入る国立公園のミニ・ハイキングやボートクルーズ。緑豊かな森林の中では「幻の鳥」と呼ばれる美しい緑色の鳥ケツァールを探し、また野鳥やナマケモノを観察しながらの森林浴。中米のエメラルドのようなコスタリカの自然をご堪能いただけます。しかし、今回のツアーで特に印象に残ったのは自然そのものではなく、トゥルトゥゲーロ村にある小学校でした。

 カリブ海の一部を含むトゥルトゥゲーロ国立公園はウミガメが産卵のために帰ることで知られ、また河口付近のマングローブ林に覆われた水中ではマナティが生息しています。
村はカーニョ・ブランコという小さな船着場からボートに乗り1時間半ほど行ったところにあります。熱帯の森林とカリブ海の恵みのなかで生活していた村人たちは、1950年代にアメリカ人のアーチー・カー博士が提唱した保護運動が始まるまで、ウミガメの卵を生活のため食用として乱獲していました。コスタリカ政府はエコ・ツーリズムを今後も国の主要産業の一つとしてますます発展させるべく、時には民間の組織と協力し、「環境保護主義」というスローガンを国中に浸透させるための法整備を行っています。そうした運動の甲斐あってか近年ではトゥルトゥゲーロの村人たちも積極的に保護活動に協力しているそうです。

 それらの大人たちの意志が、村の子供たちにも教育を通して伝わっているのでしょう、村を訪れた時、通りがかった小学校の建物の壁には“トゥルトゥゲーロ村はずっとマナティの家族”と書かれた子供達の絵が描かれていたのがとても印象に残りました。16世紀にスペイン人が入植したとき、鬱蒼とした原生林で覆われ、金銀も産出しないコスタリカは、長らく中米の片田舎として眠ってきました。その後、コーヒーやバナナ産業の開発により国家としての意識がゆっくりと高まっていきましたが、スペイン人やメスティーソと先住民の争いが激化した周辺の中米諸国とは異なり、「平和」「民主」「環境保護」を早くから国の未来への指針として今日まで発展してきました。
 自然が観光として生かされる中米の小国コスタリカの政府と国民の強い意志は、他でもなくその自然が育んだものであるということをこの国の人々を見ると実感することができるのです。

(佐賀 宏子)

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