未知なるサルディーニャ島、コルシカ島
フェニキア以前とは、およそ紀元前1500年~1000年頃の時代のもので、当時の先住民が、セメントなしで石を積み上げて造った円錐形の建物で、敷地の中央には丸い塔、その周りに丸型の集会所や住居など、すべてが丸型で造られています。実際に当時造られた塔内部の階段を登り降りできる場所もありますから、ちょっと昔の人々の気分になれたりもします。世界中に沢山の遺跡がありますが、フェニキア以前の遺跡があるというのは、まさに知られざる世界遺産ですね。
そしてコルシカ島ですが、こここそ「ナポレオンが生まれた島」ということ以外、殆ど何も知られていない場所かもしれません。サルディーニャ島のすぐ近くにあるにもかかわらず、地形は全く異なり、なかでも世界遺産に指定されているピアナ・デ・カロンクの赤い花崗岩の地形は、2億5000万年前に形成された奇岩地帯で、すばらしい絶景です。ここはバスを降りて奇岩の中を散策しますが、自然の浸食でできた不思議な形が沢山あり、ハート型に繰り抜かれた岩は有名な写真スポットです。
また、今回はフリータイム時にコルシカ鉄道にも乗車してきました。この鉄道のことも、日本では殆ど情報が手に入らないのですが、現地へ行っても、ガイドさんもホテルのスタッフも、誰も運行しているかどうかさえも知らない有り様でした。住民の皆さんは、車社会なので鉄道はあまり利用しないのかもしれません。ちょっと心配でしたが、駅員さんに聞いたところ、毎日運行しているようですし、私達も無事に乗車して、海辺のアジャクシオから、あっという間に山間へ入って行き、まだ雪が残る山々と素朴な島の内陸部の牧歌的な風景を眺めてきました。
日本ではあまり紹介されていない小さな島々ですが、ほんの小一時間移動するだけで周りの景色がクルクル変わる、変化に富んだ面白い場所でした。 (飯岡)
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