自称ウロウロ・チチカカ湖 (ペルー)
ウロス島。
チチカカ湖周辺で最も古い部族といわれるウル族。彼らは自分たちのことを〝ウロウロ〟と呼んでいたので島にもウロス島と名がついたといわれています。この島はトトラ(葦)を積み重ねただけの浮島で、2畳くらいの島から学校や教会が建つほど大きな島まで、現在約50の浮島があります。小さな島はなんと、漕いで移動が可能!定住したい人々は島をロープで固定します。ウロスの人にとって葦は生活の全てにおいて重要なもので、島作りだけではなく移動用の船(バルサと呼ばれます)や住居の壁、屋根にも使用されます。また皮をむいた中の柔らかい部分は重要な栄養補給として食されます(サトウキビのよう)。上陸してみると納得できることですが、葦を束ねただけなのでフワフワとした感じです。というわけで、ウロス島で生活する人にはリウマチを患った人が多いのです。電気はどうしてるの?という疑問がでてきますが、それはフジモリ元大統領が寄付したソーラーパワーによって賄われています。彼らの主な現金収入は観光ですが、その他には漁業やハンティング(鳥)によって生計を立てています。今では純粋なウル族はいなくなりアイマラ族やケチュア族との混血になっています。水質汚染の問題も深刻になりつつあり、そのうち水上生活を止め陸上に戻ってしまうのでは・・・。
太陽の島。
こちらはいわゆる一般にいう“島”。約21平方キロメートルでインカにとっては非常に重要。「その昔、インカの初代皇帝が妹とともにこの太陽の島に降り立った」という伝説を持ちます。つまり、インカの発祥の地というわけですが、インカ帝国時代以前から人々が定住していたことがわかっています。気候が良く農耕にも適しているので昔からの段々畑はそのままに今でもトウモロコシやそら豆の栽培が行われます。
蒸気船が航行できる湖のなかでは世界一の標高を誇るといわれるチチカカ湖。湖底には都市が眠っている!という〝黄金の都市伝説〟などの神秘性をもつ一方で昔ながらの生活を続ける人々に出会える場所。
是非足を運んでみてください。
(古澤 綾子)
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