あれから24年、輝きを取り戻したサラエボ五輪の舞台へ・・・(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア)
先日、スロヴェニア、クロアチアより帰国しました。4月上旬ということで、やはり山間部は朝晩まだひんやりした日もありましたが、野の花々が太陽に向かって思い切り花びらを広げる様子は、待ちに待った春がついにやって来た喜びに満ち溢れているようで、いつも以上に平和で幸せな雰囲気たっぷりでした。
旅の後半、アドリア海にでると、一気に視界は広がります。どこまでも青く澄み、赤レンガの屋根が映える小さな村や町。そして、人を寄せつけないような堅牢な城壁に守られたアドリア海の女王、ドブロヴニク。何世紀もの歴史を刻む博物館のような旧市街ですが、いったん旧市街に足を踏み入れてみると、子どもたちの笑い声がこだましたり、カラフルな洗濯物が狭い裏路地に吊り下げられていたりしてぐっと親しみを覚えました。
今回の旅ではまた、ボスニア・ヘルツェゴビナまで足を伸ばしました。世界遺産のモスタルには多民族共生の象徴、スタリ・モスタルが架かり、平和への思いを新たにしました。前世紀末ユーゴ内戦の悲劇の舞台となった場所ではありますが、訪れた際にはドブロヴニクから日帰りでも訪問できる地の利からか、道路脇には観光バスが列をなして駐車していて、急発展ぶりをうかがわせました。
さらに首都のサラエボへ。この町は1984年、冬季五輪が開かれたことでも知られています。49カ国、約1,200人が参加したこのオリンピック、当時、共産圏で初の冬季五輪であり、鉄のカーテンの向こう側で暮らす人々の意外にも(?)明るい笑顔と解放的な雰囲気を映し出し、お茶の間に鮮烈な印象を与えました。ちなみに、現在サラエボオリンピックのメインスタジアムは、ボスニア紛争で破壊され、紛争で亡くなった人々の墓地になっています。
あれから24年、中国・北京の2008年夏季オリンピックも近付いてきました。当時1つのユーゴスラヴィアだった国から、2008年の現在8つの国が誕生しました。オリンピックでは、中欧・東欧のこういった若い成長目覚しい国ぐにの活躍にも期待したいところです。
(石堂 佐和)
クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナへのツアーはこちら
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