2008年6月11日 (水)

「まばゆい光溢れる南仏へ!」

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 この度、フランス物語15日間より帰国致しました。フランスといえば、まず思い浮かべるのはパリ。多彩な魅力にあふれた歴史・文化の都は、昔から人々を魅了してきました。しかし、フランスはパリだけではありません。個性的な地方の魅力も私たちの心をとらえます。とりわけ、甘く響くのが「南仏」という言葉ではないでしょうか。

 南仏に魅了された人々の中には、数多くの作家や画家もいました。特に印象派の画家は南仏に引き寄せられ、ここに暮らした人々も少なくありません。刻々と変化する積み藁に当たる陽光を「連作」というかたちで追及し、後にジヴェルニーのアトリエで光と色彩表現の集大成「睡蓮」を制作したモネ、故郷エクサン・プロヴァンスで人物群像やサント・ヴィクトワール山をモチーフに、光のオブジェとして感覚的な色彩表現を追及したセザンヌ…。そして、言わずと知れた世界的な画家ゴッホも「日本の風景」を求めてアルルへとやって来たのでした。今回の旅では数多くの画家に出会いましたが、ここではゴッホをクローズアップしたいと思います。

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 アルルにはプロヴァンスの魅力が凝縮されています。とりわけ日本人にとっては、ゴッホの存在が大きいと言えるでしょう。「日本の風景」を求めてアルルにやって来た彼は、後に世界的に注目されることになる作品をここで描き続けました。ゴッホにゆかりの深い風景を訪ねる人は、今も後を絶ちません。私たちが訪れた場所の一つに、フォーラム広場に並ぶカフェの一つで「カフェ・ヴァン・ゴッホ」があります。ゴッホが「夜のカフェテラス」を描いたとされるカフェです。作品と同じ黄色の壁が現在も見られましたが、実際は当時の壁の色は黄色ではなかったんだそう。ゴッホは作品の中で「光」を黄色で表現したのだそうです。今となっては観光客向けの店に違いありませんが、広場のまわりの古びた路地も、昔の風情を感じさせるものでした。

 ゴッホはアルルで創作に没頭します。ですが、この町で彼が悲劇的な運命を歩み始めたことはよく知られています。有名な「耳切り事件」は、1888年のクリスマス直前に起きました。二ヶ月ほど前からゴッホのもとに来ていたゴーギャンと激しいいさかいを起こした後、ゴッホは左耳を切断し、精神錯乱をきたして入院したのです。その病院は現在エスパス・ヴァン・ゴッホという文化センターになっていました。中庭はゴッホの作品「アルルの療養所の庭」をもとに復元されたんだそうです。

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 ゴッホの作品にゆかりの場所で最も人気が高いのは、アルルの中心から南の郊外へ三キロほどの場所にある、いわゆる「アルルのはね橋」(作品名は「ラングロワ橋」)です。実際にモデルになった橋は別の場所にありましたが、破壊されたため、絵をもとにして現在の場所に再建されました。ゴッホが好んだテーマで、4枚の油絵と1点の水彩画、デッサン3枚があります。アルルでのゴッホはその力強い陽光に励まされ多くの鮮烈極まる風景画を制作しました。また、ゴッホにとって象徴的な意味を持つ「ひまわり」もアルル時代に多く描かれています。「アルルのはね橋」は、そんな風景画の代表作の一つです。

 アルルについて書かれた本は数多くありますが、なかでも「ゴッホの手紙」(岩波文庫)は、アルルの旅に深みを加えてくれます。この手紙では、弟の仕送りに対する感謝の言葉、ゴーギャンとの事、日本への憧れなどが記されている、ゴッホの肉声です。ゴッホのファンでなくても、彼の作品や生涯の解説本を読むより、興味深い本であるに違いありません。また、ゴッホが南仏に行くと決めた時、アルルをすすめたのはロートレックだったという話があります。理由は美人が多いこと。アルフォンス・ドーデーの「風車小屋だより」からの短編小説「アルルの女」も、それを土台として生まれた物語です。(ツアーでは実際にこのモデルとなった風車にもご案内します)他にも、日本でもプロヴァンスブームを巻き起こした、ピーター・メイルの「南仏プロヴァンスの12ヶ月」など、南仏を旅するにあたり、関連する書籍を読んでおくと、より一層充実した旅になるでしょう。

 南仏の魅力は風景だけに留まりません。かつて地中海沿岸の土地は、西ヨーロッパの「最前線」でもありました。ブドウやオリーヴの木がギリシア人によってもたらされたのは、紀元前600年のマルセイユでした。ローマ人たちの高度な技術が花開いていたのも南仏です。美しい景色が広がるこの地方には、長い長い歴史も刻まれています。パリが多彩な魅力に溢れているように、南仏の町々もそれぞれ個性的に輝いています。1_5

南仏のプロヴァンス、コートダジュール。地中海に面したこの地方には、明るく降り注ぐ陽光と紺碧に輝く海の情景が広がっています。パリ、そして南仏を巡るこの旅で、わたしたちが出会う画家たちの多くが「光」に憧れ、この地に辿り着いたんだなぁと実感しました。

さぁ、印象派の画家たちが愛した南仏の風景を探しに、旅に出かけましょう!(村上大嗣)
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