自分だけのプラハを見つけに(チェコ)
先日、「ポーランド、チェコ、中世ロマンの古都を訪ねて 10日間」の旅から戻って参りました。今回の旅のフィナーレを飾ったのが、モルダウ川の流れる美しい街、プラハです。
プラハには沢山の呼び名があります。「黄金の街」、「百塔の街」、「魔法の街」、「北のローマ」・・・。それだけプラハには色々な顔があり、訪れる人びとによってこの街の感じ方もそれぞれ違うのではないでしょうか。
モルダウ川に架かる古びた石造りのカレル橋。橋といってもここは一種の広場のよう。全長約520m、幅約10mもあるカレル橋には所狭しと似顔絵師やストリートパフォーマー、ジャズバンドなどが肩を並べ、陽気な笑い声をたてています。橋の両側には30体もの聖人像がずらりと並んで私たちを見下ろしています。しかし、実はカレル橋は当時公開処刑が行われる場所であったとか。今日の明るい雰囲気とは違った一面も持つカレル橋、ここにも街の歴史の深さがうかがえます。
カレル橋を渡り旧市街広場までの路は一度で覚えることは不可能です。複雑に入り組んだ細い路地、石畳の通りの両側にはマリオネット人形やボヘミアングラスのお店、小さな劇場などがひしめいていて、そのどれもがとってもレトロな門構え。中世にタイムスリップしたような路地裏に、まるで魔法にかかったかのように引き込まれてしまいます。
やっと路地を抜けると巨大な四角い広場に出ます。ここが旧市街広場。ここでは旧市庁舎の時計塔に上らなければ始まりません。カラクリ時計にもなっている高さ8mの時計塔に上り暗い内部から外に出ると、パッと視界が開けて360度プラハの町のパノラマが目に飛び込んできます。プラハは京都と姉妹都市というだけあって、どこか日本の古都と似た懐かしさを感じます。赤レンガ屋根に白壁という統一感のある古い家々、ところどころにお菓子のようなパステルカラーの建物や教会の尖塔がのぞき、遥か遠くには威風堂々と聳えるプラハ城の姿が見てとれます。「建築博物館の街」とも称されるように、ゴシック、バロック、アールヌーボーなど様々な建築様式の建物があるのが分かります。しかし不思議と全てが調和し、全体として美しいプラハの街を形造っているのです。街歩きに疲れたら、広場の見渡せるお洒落なオープンカフェに入ってコーヒーを一杯飲んでみましょう。すっかりプラハっ子になった気分です。
旧市街散策を楽しんだ後は、チェコ最長であり、あのスメタナも「わが祖国」の曲の中で描いているモルダウ川のクルーズに出かけます。カレル橋、プラハ城と、夕陽が反射してキラキラ輝く川面とが相俟って夕暮れ時のプラハの街を一層美しく見せてくれます。ゆっくりとしたモルダウ川の流れに身を任せ、これまでの旅の軌跡を思い返してみるのもよいかもしれません。陽が暮れると街には少しずつ明りが灯り始めます。多くの劇場では夜になると劇やオペラが催されます。今回は人形劇とオペラの二手に分かれて劇場に向かいました。
楽しい劇鑑賞が終わった後は興奮冷めやらぬうちにもう一度モルダウ川の川辺まで歩いて行ってみて下さい。対岸を見て思わず息が止まりそうに。古城や家々が美しくライトアップされて、溜息のでるほど美しい夜景が目の前に広がっています。
その夜景を見ながら、プラハは皆さんにとってどんな街であったか考えてみてください。「黄金の街」、「百塔の街」、「魔法の街」・・・きっと皆さんだけのプラハの街が見つかるはずです。私にとってプラハとは、育った街や故郷の家族、友人を懐かしく思い出す、「郷愁の街」でした。
(川人 麻未)
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