ホンモノの遺跡 カラカルパクスタン(ウズベキスタン)
先日、知られざるカラカルパクスタン共和国とトルクメニスタン大周遊より戻りました。
今回のツアーでは、皆様にはあまりなじみのないカラカルパクスタン共和国という、ウズベキスタン内の自治国と、トルクメニスタンをぐるっと巡ってまいりました。
あまり聞きなれないこの二つの地域に何があるのでしょうか?実は非常に歴史的価値の高い、まだまだ研究途上の遺跡の数々が眠っているのです。訪れる先々には古代の生活の様子や偉大な建築の後を垣間見ながら、はるか昔の文明の世界へと思いを馳せていただきました。
この旅で訪れた遺跡の数々を簡単に紹介させていただくと、アム河によって出来たデルタ地帯に栄えたホレズム王国の城砦跡が点在するカラカルパクスタン共和国、そしてそのホレズム王国の発祥地であるクフナ・ウルゲンチ、人類最古の農耕文化の一つアナウ、パルティア王国の跡地ニサ、仏教伝道の最西端メルブなどです。これらは中央アジアの歴史を極めるためには欠かせない、非常に重要な遺跡といえるでしょう。
今回はその中でももっとも馴染みのないカラカルパクスタンについてお話させていただきます。
カラカルパクスタン共和国はウズベキスタン西部に位置し、アム河とシム河が注ぎ込むアラル海を抱えた共和国です。そしてアム河によってできたデルタ地帯には、紀元前3世紀ごろには既に高度な文化を持っていたという古代ホレズム王国の遺跡が点在する歴史深い地域なのです。
ウルゲンチからアム河を渡り、さらに30分ほどガタガタ道をバスで走ると、ゴビ砂漠のような景色の広がるところに遠くみえる大きな岩のようにも、小高い丘のようにもみえるものがいくつか見えてきました。
「カラ」と呼ばれるかつての城壁跡です。それぞれの「カラ」に近づいてみると、一枚岩のように聳えるその城壁跡は、誰の手も加えられずただそこに長い間存在したという、言葉にならない迫力がありました。
遺跡とはかくあるものかな、と思わせるほど威風堂々と存在する「カラ」達にしばし息をのみ静観。
この地域は遺跡への保護の観念が薄いようで、遺跡への道路の整備、遺跡の保護などもほとんどなされていません。それゆえに手付かずの本物の遺跡が残っているともいえます。
もちろんしっかり修復され、保護された遺跡は、後世のために必要なことですし、時には私たちの想像の大いなる手助けとなりますが、たまにはこのようなホンモノの遺跡を前に、立ち尽くすのもよろしいのではないでしょうか。 (山岡哲也)
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