2008年10月31日 (金)

天才画家カラヴァッジョの足跡をたどる

Caravaggio_mathews この度「カラヴァッジョの道」のツアーより帰国しました。このツアーは弊社企画ツアーの中でも特徴のある内容で、17世紀初頭に活躍した天才画家カラヴァッジョの足跡を辿りながら絵画を鑑賞することを目的としたツアーでした。

カラヴァッジョの生誕地はミラノの近郊ですが、残されている作品の多いローマからツアーは始まりました。ローマで事件を起こしたカラヴァッジョは、ナポリへ逃れ、その後はマルタ、シチリアへと逃亡生活を続け、行く先々で作品を残しました。現代の交通手段の都合でシチリアとマルタの順番が入れ替わっているものの、今回の旅ではローマからナポリ、メッシーナ、シラクーサ、そしてマルタを巡りました。カラヴァッジョの足跡を辿ることで、彼の心中を感じながら偉大なる作品を鑑賞することができました。
 

カラヴァッジョは教会の礼拝堂に飾る宗教画を残していますが、そういった作品はその現場で鑑賞すると絵画が最も輝いて見えます。影と光の表現に優れていたカラヴァッジョの作品は、礼拝堂で実際にある小さな窓から、ほんの一筋の光が差したかのように見え、まるで神の世界がそこに広がっているようでした。鑑賞者が下から見上げることを計算して描かれた絵画は、そこにあってこそ体験できる敬虔な空間を創り出していたのです。

Caravaggio_roleto 例えば、ローマのサンタゴスティーノ教会の『ロレートの聖母』は、左上方に聖母が描かれ、右下に巡礼者が描かれています。薄暗い教会内でこの絵画を鑑賞すると、まるで自分がはるばるこの教会を訪れた巡礼者であり、目の前に尊い聖母が舞い降りて現れたような気持ちになりました。

このツアーはそんな体験をしながら、行く先々でカラヴァッジョの絵画を鑑賞していく旅でした。美術館で間近にそのタッチを鑑賞するのも良いのですが、絵画があるべきところに飾られていることの素晴らしさを実感する旅となりました。憧れの画家の足跡を辿って旅をする、そんな旅のスタイルはいかがでしょうか。(斎藤さゆり )

イタリアのツアーはこちら
(カラヴァッジョのツアーは2月頃発表、出発設定は10月の予定です。)

|

コメント

ツアーではお世話になりました。
作品の2/3程は個人旅行で見たものでしたが、今回、ガイドさんによる説明と、マニアなお客様方の御意見、御解釈を伺えて、益々カラヴァッジョへの興味が湧きました。私は、ツアー、個人旅行、企画旅行などいろんな形で旅行に行ってますが、マニアの方達との旅行は本当に楽しいです。
またいろんな企画を期待しております。

投稿: Y.H. | 2008年11月 2日 (日) 00時57分

Y.H.様
こんにちは。この度はご参加ありがとうございました。お楽しみ頂けたようで、コメントを大変嬉しく拝読しました。
ご参加の皆様は、とても絵画の知識が深く、皆様との会話ももとても興味深かったです。
それぞれの方のカラヴァッジョへの思いがとても強いツアーだと感じました。
それにしてもカラヴァッジョの作品は迫力がありましたね。改めて彼の才能を再認識しました。
今後も絵画ファンの方に、さらにマニア(?)なツアーをお届けし、ご期待に応えられるよう頑張ります!

投稿: 斎藤さゆり | 2008年11月 4日 (火) 10時34分

この記事へのコメントは終了しました。