2008年10月 7日 (火)

ウズベキスタン ~古代シルクロードが息づく街々~

先日、ウズベキスタン(「サマルカンド・ヒワ・ブハラ世界遺産周遊の旅 8日間」)より帰国しました。

イスマイルサマニ廟(ブハラ)にて 9月のウズベキスタンは爽やかで過ごしやすい季節でした。ブハラのイスマイル・サマニ廟やシャフリサブスのチムール広場の花壇では、ピンクや白のコスモスが咲き乱れ、透き通るような秋の空に彩を添えていました。また、ウズベキスタンは綿花の一大産地。9月はちょうど収穫期にあたります。車窓からは白い綿を手作業で摘んでいるシーンを幾度となく目にすることができました。

今回訪問したサマルカンド、ヒワ、ブハラは、古来よりシルクロードの交易拠点として栄え、かつては敬虔なイスラム教の国でした。しかしながら、旧ソ連邦の一部となってからはイスラム教が認められず、人々の生活に根づいていた信仰が遠のき、素晴らしいイスラム建築が廃墟と化してしまいました。

独立後17年が経った今日、ウズベキスタンは大きく様変わりをしてきています。観光モニュメントがきれいに修復され、14~15世紀に栄えたチムール帝国の都サマルカンドのイスラム建築群の青色は「サマルカンドブルー」として鮮やかに甦りました。都市を結ぶ幹線道路が整備され、以前より快適に旅をすることができるようになりました。地元の人たちも外国人観光客に慣れ、気さくに声をかけてきます。

ウズベキスタンの魅力は、まるで「生きた博物館」のように、昔ながらの伝統が現在の新しい生活に溶け込んでいることではないかと思います。

例えば、民族衣装。今や世界でも、民族衣装といえば、お祭や特別な儀式のときのみに着用されることが多くなり、日常生活で目にすることは少なくなりました。一方、ウズベキスタンの女性たちが日頃から着ている衣装は、まるでファッションショーにでも出てきそうなほど、カラフルな色と多彩な柄があります。それは、中央アジアの特有の夏の猛暑にも対応できる機能的な服でもあり、先人の智恵が凝縮したものです。Women189

また、名産の「スザニ」という刺繍が施された布は、壁掛けやベットカバーなど様々な用途に使われ、嫁入り道具の一つとして伝統的に家庭で作られてきました。使われている素材や染色方法など、たいへん奥が深く、見ているだけでも飽きません。かつて欧米の専門家たちはスザニの素晴らしさと価値に気づき、自国へ持ち帰って高額な価格で取引をしたと伝えられるほどです。

今日、サマルカンド、ヒワ、ブハラなどの歴史的な町には、そうした伝統工芸や民芸品が至るところに溢れています。現代的な街の中にも古くからのシルクロードの雰囲気や伝統を感じさせるウズベキスタンは、古来のシルクロード世界にどっぷりと浸れる場所です。(栗山)

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