2008年11月21日 (金)

不思議体験 IN サウジアラビア

Photo   先日、サウジアラビアのツアーから帰国しました。

サウジアラビアは、アラビア半島最大の専制君主国家であり、国土の大半が不毛といわれる砂漠です。しかしながら、その砂漠の地下に眠る「黒い水」=石油のおかげで20世紀初頭、一気に近代化への道を駆け上り、いまや世界有数のお金持ち国家です。日本の車や電化製品、商社マンも多いそうです。そして同時に、イスラム教のワッハーブ派の教えを今も強く守る国でもある為、女性が素顔や肌を出して外へ出るのが困難な国でもあります。大きな間違いはなかったのですが、実際にサウジアラビアに行き、「百聞一見にしかず」ということを実感しました。

 リヤドには王族が建てた最新の携帯電話のようなフォルムを持つキングダム・タワーや、夜になるとガラス細工のようにキラキラとライトアップするアル・ファイサリア・タ ワーなど、近未来的な建物が建ち並びます。一方で、都市部を離れると古代の隊商の道で栄えた旧市街が残り、第一次世界大戦中にかの有名なアラビアのロレンスがPhoto_5破壊工作に勤しんだヒジャーズ鉄道跡や、ヨルダンのペトラの遺跡で有名な古代ナバテア人の墓所といわれるマダイン・サレ等、隠れた魅力がたくさんあります。巨大な奇岩がにょきにょきと生える渓谷と風紋が美しい砂丘の織り成す景色は、遥か古代から太陽の熱と激しい気温差、強風で作り上げられたものです。街が近代化しても、その広い国土ゆえに、街から街への移動に使う幹線道路以外は100年前とほぼ変わりません。時には、今も砂漠に生きるベドウィン達のテントを遠望したり、町へ定住したベドゥィン達が砂漠にピクニックへ来ている光景を垣間見ました。

Photo_4  サウジアラビアは、独自の文化や価値観を守りながら発展してきました。そのため外国からくる女性であろうとも、出国までホテル以外ではスカーフと「アバヤ」と呼ばれる、裾を床まで引きずるすとんとした黒い上着を着用しなければなりません(女性のお客様には会社からプレゼントいたします)。最初は面倒でなりませんでしたが、いつも以上に日焼けしない自分の肌を見ていると、「アバヤ」もいいものだなぁと感じました。移動の合間にあまり現地の人と触れ合うことが多くない(国土が広すぎて余り出会わない)ので、ツアー中に女性だから不便だなぁとはあまり感じませんでした。

 しかし!私がびっくりしたカルチャーショックは、サウジアラビア国内線チェックイン・カウンターから追い出されたことです。「外国から来たアバヤを着用していない女性」達は普通にチェックインしているのにも関わらず、です。

 どうやらアバヤをきて、スカーフをきっちりしている私は、「外国人女性」ですが「サウジアラビア人女性」と同じように扱ってもらったようなのです。びっくりはしましたが、ガイドさんが責任をもってチェックインを代行してくれました。

 一旦アバヤを着て、ベールをし、サウジアラビアという国を内側から見てみると、女性はなかなか大事にされている模様が垣間見えます。皆が殺到して混雑する大変なところは男性が行き、女性はゆったりと待っています。勿論待ち合わせの席は「女性専用」。むむ・・「漢は立って待て」ということか・・・。

 「アラブ的」な「レディファースト」の考え方、女性蔑視というものとはどうやら違う模様です。アバヤをきっちり着て「サウジアラビア人女性」になりきってしまえば、周りの人々の態度が一変します。ぜひぜひ、女性限定!「サウジアラビア人女性」疑似体験をぜひトライしてみてください。(齋藤 晃子)

サウジアラビアへのツアーはこちら

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