ヨーロッパ最後の秘境バルカンへ(アルバニア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビア)
お隣のマケドニアは、モザイクが残る遺跡、ビザンチン美術が花開いた教会、オスマン・トルコ時代の街並みなど、歴史の深さを感じさせます。美しい湖、素晴らしいフレスコやイコンが残る数々の教会など、世界遺産にも登録されているオフリドの街は印象的でした。
ボスニア・ヘルツェゴビナについては、どうしても1990年代始めの紛争の話抜きでは語れません。実際、街のあちこちに爆撃で破壊されたまま、壁に銃弾の跡がついたままの建物も多く、戦争の怖ろしさが伝わってきます。
しかし、バスでサラエボからモスタルまで移動した時、山間部の黄葉した木々が美しく、また爆撃で崩壊したモスタルの橋が昔のままに復元された姿を見ると、この国の平和で美しい未来が感じられようでした。 その後ツアーは、「アドリア海の真珠」と称されるクロアチアのドブロヴニクに寄り、モンテネグロへ。美しいコトル湾や中世の街並みが残るコトルなどアドリア海沿いの観光を楽しみました。
そして最後の国セルビアへ。アドリア海より少し内陸に入っただけで、一気に山間部に入っていきます。ちょうど10月のこの時期は、黄色に色を変えた木々の葉っぱがいくつもの渓谷を彩っていました。 セルビアでは山間に建つ素朴な教会で、フレスコやモザイクなどの素晴らしい作品に出会うこともできます。また、コバチッツァ村でお宅を訪問させてもらった村で最年長のナイーブアート画家だというカタリーナさんは、作品もさることながらご本人もとてもかわいらしい女性で、素朴な暮らしぶりも印象的でした。
バルカンは多様な民族、文化、宗教が共存し、また大国との間で翻弄された歴史を持ち、見所は尽きません。私たちが訪れた10月は気候も過ごしやすく、黄葉の美しい季節した。「ヨーロッパ最後の秘境」といわれ、まだまだ素朴な雰囲気が残るバルカンへは、しっとりと美しい秋の時期はいかがでしょうか。
(武石 幸子)
バルカン半島の国々のツアーはこちら
| 固定リンク
「世界のお花・紅葉情報」カテゴリの記事
- 日本とどちらが美しい?黄葉のポーランド(2017.11.16)
- 幻の花を求め、花々の楽園へ!(西オーストラリア)(2017.09.30)
- 建国150周年、記念すべきカナダでハイキング(2017.08.01)
- 可憐な花を探し求めてピレネー山脈を東から西へ大横断(2017.07.14)
- バラ摘み体験とパレードを堪能!カザンラクのバラ祭り(ブルガリア)(2017.07.04)
「世界の宗教情報」カテゴリの記事
- ウズベキスタンの古代仏教都市テルメズ訪問。故加藤九祚先生の功績にも触れました。(2017.10.24)
- 多様性の中の統一(インドネシアの宗教観に触れる旅)(2016.11.08)
- ドイツでロマネスク探し(2016.11.02)
- ルーマニアの祝日、聖母マリア被昇天祭(2016.09.09)
- お釈迦様の誕生日に行われる、釜山・三光寺の提灯祭り(韓国)(2016.06.07)
「世界の民族情報」カテゴリの記事
- 少数民族のルーツを求めて、“少数民族街道”を往く(中国雲南省・ベトナム)(2016.12.16)
- アジアの山岳地域に暮らす少数民族に出会う(中国・ベトナム)(2016.04.05)
- カリブ海の民、クナ族の島(パナマ) (2016.02.12)
- 「大地の芸術品」!元陽に残るハニ棚田(ユーラシア旅行社で行く少数民族ツアー!)(2015.03.31)
- 2000年もの時をかけて造られ、守られているフィリピン、ルソン島北部の棚田(2015.03.18)
「中欧・東欧情報」カテゴリの記事
- 「トリュフ料理に舌鼓を打つ!!(クロアチア)」(2017.12.13)
- 地元の人に愛される!クロアチアのミケランジェロが残した、“生きた”世界遺産(2017.11.22)
- 知る人ぞ知る、クロアチアのミニ・プリトヴィッツェで癒しのひと時(2017.11.17)
- 青空と雪山、黄葉に囲まれたコーカサスの仙境、ジョージア・スワネティ地方(2017.11.14)
- ヨーロッパ一美しい、クロアチアのミロゴイ墓地へ(2017.11.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント