2008年12月16日 (火)

明けても暮れてもマウントクック

先日、春を迎えたニュージーランド南島の「花と自然を楽しむ旅」から帰国しました。ポカポカ陽気の南島各地には、固有種の可憐なマウントクックリリーから大地覆いつくす黄色のエニシダ、ミルキーブルーの湖畔に群生するルピナスや庭園のしゃくなげなどが満開を迎え、眩しいほどの色鮮やかさを放っています。また、街道沿いに続く広大な緑の牧場では子羊たちが元気いっぱいに走りまわっていて、この時期のニュージーランドの大地からは、春ならではの生き生きした生命の息吹きや勢いを感じます。

南島での観光ハイライトはやはりマウントクック。

マウントクックに向かう当日の朝から天気は快晴。マウントクックが近づくにつれて、真っ白に雪を被った最高峰を拝みたい、という期待に胸が膨らんでいきます。途中、マウントクックを彼方に望むプカキ湖という氷河湖で立ち止まった写真ストップでは、全員が思わず歓声をあげました。ミルキーブルーに輝く湖面と真っ青な空。そして遠くに連なる白く輝くマウントクックの山々。誰もが晴々としたすがすがしい気持になりました。

マウントクックには、山が最も美しく見える位置に唯一のホテル、ハーミテッジがあります。このホテルはどこにいてもマウントクックの景色を存分に堪能できるような配慮が行き届いていて、客室やロビー、レストランの窓がすべて大きなガラス張りになっています。特に客室の特大窓からはベットに横になっていてもマウントクックが見えるのです。夕方には山肌が赤く染まり、夜明けには朝日に反射して白く輝く山頂など、同じ山でも刻々と変化していく様子を眺めていると、うっかり時間を忘れてしまいそうです。朝から晩まで、食事の時間さえも白雪に輝くマウントクックに囲まれた至福の時間。山にはいくら見ていても飽きない不思議な力があります。

マウントクックの山岳美と共に一番印象にのこったのは、満点の星空。周辺一帯には大きな町が全く無いので、夜が更けてくるにしたがって、まるで宇宙空間にいるかのように無数の星空へと変化してゆきます。南十字星をはじめ、マゼラン星雲、アンドロメダ星雲や昴などが肉眼でもはっきりと見えました。名前は聞いたことがあっても、実際に見るのは初めての体験でした。

山や星を眺めるだけでなく、澄んだ空気を深く吸い込み、固有の草花をじっくり観察したり、小鳥のさえずり、雪崩の轟音に耳を澄ませたりと、たった一か所のマウントクック滞在でも、ここには星のように無数の楽しみ方があります。手付かずの無垢な大自然には人の心を揺り動かす、ワクワクさせる大きな力があることを実感しました。(上田晴一)

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