碧い絶景(南極クルーズ・その②)
昨日、南極のペンギン達のことを書きました。今日は物言わぬ南極の景色をご案内したいと思います。南極といえばペンギン。というくらい、ペンギンへの熱い想いが先走ってしまった添乗員でしたが、南極半島一、美しいといわれる景色を晴天で見ることができたとき、視力があってよかったなぁと思いました。 そこはルメール海峡という狭い海峡なのですが、朝7時、デッキに出てみると、そこにはカメラやビデオを手に美しい景色を少しでも手元に残そうとする熱い想いの人々であふれていました。こういうとき、体があまり大きくないと、前方にひょいひょいと行けてしまいまして、私もちゃっかり先端から、美しいルメール海峡の景色を堪能致しました。
今回乗船したフラム号は、家具の国ノルウェーの船です。そのため、探検船であるにもかかわらず、とてもお洒落でした。私はデッキ5から外へ出て、防寒しながら写真を撮っていたわけですが、寒いのが苦手な方にはデッキ7の展望室から同じ景色をご覧頂けます。しかも、クッションのいい一人掛けソファーで!これは私も夜中にこっそり寝そべりましたが、ベッドみたいに心地よかったです。
真っ青な空に張り詰めた空気。目の前に迫ってくる海峡。目の前なのになかなか近づかない。それは、海峡入り口の氷が実はとっても巨大な為です。船の速度もゆっくりですが、巨大な氷山島が門のように聳えるため遠近感がおかしいのかもしれません。白い雲が風に乗って流れている為、刻一刻と景色が動きます。眼前に迫る薄いブルーが透けて見える氷山。対比して海はとても静かで深い、深い藍色でした。不意に、どよめきが沸き、船内放送で「ザトウクジラ」と案内がありました。
一瞬、人々の関心は鯨へ向かいましたが、しばらくすると再び誰もが静かに、海峡に視線を向けています。いよいよ海峡へ入ると、誰もがレストランへ。大きな窓から氷の芸術を無料鑑賞しながらの優雅な朝食です。なんと、氷山に乗って移動するペンギンすらも見ることが出来ました。
南極は雪と氷の世界です。氷山は海の下に、私たちが目で見ている10倍以上の大きさの氷があるのだそうです。人間が生まれる遥か以前から目の前の氷が存在し、ここにいたのかと思うと、改めて南極のスケールの大きさを実感させられます。広大な自然環境も、気が遠くなる長い々時間軸があればこそ出来たのでしょう。願わくば、この風景を見続けられますように。
南極を少しでも味わいたくて、最後の上陸を楽しんだ後にゾディアックボートで船に戻る途中、ラッキーなことに氷山のかけらを手に入れました。南極の水は痛いくらいに冷たくて、感覚がなくなってしまいました。落とさず無事に持ち帰ったクリスタルのような氷のかけらを使って皆様と乾杯しました。一体名百年くらい、海をさまよっていたのか…。よもや我々に飲まれるとは、思っていなかったことでしょう。手や足は勿論、全身で、そして味覚でも南極満喫することが出来たすばらしいクルーズ体験となりました。(齋藤 晃子)
(今期の募集は終了致しました。次回は2009年4月頃発表予定です)
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