仏教国スリランカ
年末年始にかけてスリランカの添乗に行ってまいりました。皆様の中には、スリランカというよりもセイロンと聞くほうがピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。1972年イギリスから独立した際に、「セイロン」からもともと国民によって呼ばれていた「スリランカ」となりました。スリランカとは光り輝く島(スリ:光り輝く・ランカ:島)という意味です。人口の約3分の2の人々が仏教を信仰しているスリランカは仏教国ですが、他宗教も共存しています。
ツアーでは、主に仏教・仏陀にまつわる寺院や遺跡を訪れますので「仏教徒達の信仰心の深さ」を感じるとともに、他宗教と共存しているが故、同じ仏教国である日本とは違う雰囲気を感じる事が出来るのではないでしょうか。寺院へ行く際、露出厳禁はもちろんのこと、敷地内では裸足で参拝する決まりがあります。さらに仏像と一緒に写真を撮ることはご法度とされています。以前、仏像と一緒に写真を撮った外国人がいた為、その仏像を塗装しなおしたという例があるくらいです。寺院にはいつも多くの仏教徒の姿があります。中でも一際賑わいを見せるのは、キャンディにある仏歯寺。
ここには仏陀の歯(仏歯)が祭られています。4世紀にスリランカに持ち込まれて以来、遷都する度に仏歯もその都へと移動し、今は王朝最後の都キャンディに落ち着いているのです。仏歯の実物を見ることが出来るのは年に数回あるかないかと稀ですが、1日3回は仏歯の部屋をのぞくことは出来ます。この時間帯になると、ただでさえ多い参拝者の数がぐっと増えます。開扉の間は太鼓が打ち鳴らされ院内はいっそう厳かな雰囲気に包まれています。敬虔なる信者達は蓮の花など、供物を捧げ、そして祈りを捧げます。この雰囲気は言葉では言い表すことの出来ないもので、実際にその場にいる人しか感じることの出来ないものです。
蓮の花といえば、同行してくれたスリランカ人のガイドさんが「蓮の花は、きれいとは言えない池に咲くけれど、蓮の花びらや葉は汚れておらず綺麗なのです。」と言っていたのを思い出します。この言葉は、どこか信仰につながるようなとても深い意味があるように思います。スリランカは、島国・仏教国として親近感を感じますが、日本にはない魅力、日本では薄れた心が残っています。スリランカはまだまだ多くの魅力がねむる国。この「光り輝く島」を訪れる度に、新たな魅力に出会える、そんな気がします。(内野江奈)
| 固定リンク
「アジア情報」カテゴリの記事
- 地上からも上空からもヒマラヤ山脈とアンナプルナ山群を堪能!(ネパール)(2017.12.28)
- 酸っぱいけど甘辛い?カンボジアの「お漬け物」(2017.12.27)
- お釈迦様入滅の地、クシナガルへ(2017.12.15)
- ネパールの生きた女神、クマリにびっくり!(2017.10.20)
- 幸せの国ブータンに幸せを運んだ日本人がいた!(2017.09.07)
「世界の宗教情報」カテゴリの記事
- ウズベキスタンの古代仏教都市テルメズ訪問。故加藤九祚先生の功績にも触れました。(2017.10.24)
- 多様性の中の統一(インドネシアの宗教観に触れる旅)(2016.11.08)
- ドイツでロマネスク探し(2016.11.02)
- ルーマニアの祝日、聖母マリア被昇天祭(2016.09.09)
- お釈迦様の誕生日に行われる、釜山・三光寺の提灯祭り(韓国)(2016.06.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント