2009年1月30日 (金)

「うし」の国、インドで年越し

01301 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。年末年始をインドで過ごしてきました。
  ジャイプールでマハラジャの旧居、「ラージパレス」に宿泊する今回の旅、見どころは宮殿に留まりません。
小説「深い河」の舞台としてもよく知られる聖地ベナレスは、何度行っても神聖なものを感じさせる場所。明け方、聖なるガンジス川での沐浴風景を見に出かけると、まだ真っ暗な中なのに、続々と人びとが川に向かっていきます。巡礼者たちが方々で打ち鳴らす楽器の音で辺りはずいぶんと賑やか。遠路はるばるガンジスの水を求めてやってくる人々に、信仰の力を実感させられました。
 ガンジス川の水は何年たっても腐らない、「聖なる水」と言われます。何ともいかがわしい話と思いますが、一説によると科学的な根拠もあるそう。ヒマラヤに端を発するガンジス川には流域で生育する薬草のエキスがたっぷり溶け込み、その中には防腐剤の役目を果たすものもあるのだそうです。

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 タージ・マハルを訪問したのは、ちょうど元旦の日。空は少し煙っていましたが、白亜の霊廟はかえって幻想的に目に飛び込んできました。ヤムナ川対岸のアグラ城に幽閉されていたシャー・ジャハンもこんなお天気の日には愛妻が眠るタージ・マハルがくっきり見えずどんなにか辛い気持ちだったろうと思うと、何だか切なくなりました。
 今の時期、車窓には菜の花が一面に咲き誇り、思わずうっとりします。州境の検問所で手続きをしているとき、子どもたちがドアのそばにやってきて、にこっ、と微笑み、さや入りのエンドウ豆を投げ入れました。あっ、と思って受け取ると、ガイドが生のままボリボリと食べ始めました。つられて口に入れてみると、採れたての豆は生のままなのにほんのり甘い味わいでした。バラエティ豊富なカレーの素材にもこうしたインドの大地の恵みが用いられているのかと思うと、ぐっと味わいにまた深みが感じられました。
 最後の訪問地は、砂岩のピンク色が優しい風合いのジャイプール。風の宮殿のあたりは人や車でごった返し、さすがラジャスターンの州都、活気に満ち溢れていました。グァバ売りやパッパル売りがいたり、日々を生きぬく人々のバイタリティに圧倒されました。
01303 急スピードで発展してゆくものと、今も昔も変わらぬものとすべてを包み込む大らかな国インド。ぜひ一度、インドへお越し下さい。

石堂 佐和

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