2009年1月27日 (火)

 カンボジア・アンコール遺跡群の隠れた名跡を求めて

01 この度「アンコール遺跡群を極める旅 9日間」の添乗から帰国致しました。
今回のツアーはアンコール遺跡が固まって残っているシェムリアップに5連泊しじっくり回り、プノンペンでも近郊の遺跡と市内観光とで2連泊ついているお得で、かつゆったりした日程でアンコールの魅力を堪能できるコースとなっております。
シェムリアップではもちろん、クメール文明の栄華が詰まったアンコール・ワットやアンコール・トムにご案内し毎日がハイライトなのですが、このツアーの目玉はクバルスピアン遺跡と5大遺跡の1つであるサンボール・プレイクックです。

クバルスピアン遺跡というのは、聖なる山クーレン山の北東にある遺跡です。クメールの歴代の王達はヒンドゥー教が生まれたインドを聖地として、ヒマラヤ山脈、ガンジス河、インド洋を重要視していました。ヒマラヤ山脈を模したのがここクーレン山、ガンジス河はシェムリアップ川、そしてインド洋はトンレサップ湖を模しています。彼らはこの地にもその聖地を築き上げていったのです。
さて駐車場に着くとすぐに山登りスタートです。この日は東南アジア特有の強い日差しは元気がなく、幸い我々にとっては山登り日和でした。大きな石が転がり、太い木の根が盛り上がり、時には木で出来た梯子を登りながら歩を進めます。すると1時間も経たないうちに川が見えてきました。何の変哲もないただの川かと思いきや、そこは聖地。川底にヒンドゥー教の神々が!!川の流れとは無関係に神々のレリーフは横たわっていました。何故こんな山奥に?!「川の源流」と意味をもつこの場所に神々の力を与えればより強力なパワーを得られ、川の水が聖水になると言われていたのです。

そしてサンボール・プレイクックはアンコールの5大遺跡の中の1つ。シェムリアップから150km、プノンペンに向かう途中に位置しています。途中、赤土の未舗装のデコボコ道路ではバスは傾きながらも、バイクに抜かれながらもゆっくりとまだ観光客の少ない遺跡に向かいます。
ほとんどがレンガで造られており、大きさも後のアンコール期のものの様に大きくなく小さな祠堂が点在しています。7世紀初期にイーシャナヴァルマン1世がイシャナプラという都を築き栄えました。今では倒壊してしまいそうな祠堂や既に原型を留めていないものまであります。
02 到着すると物売りの子供達が一斉に駆け寄ってきました。彼等が生まれる何百年も前に都があったことを知っているのか知らないのか…そんなことに関係なく元気で純真無垢でした。対照的に遺跡は子供たちの無邪気な声が遠くからでも聞こえてくるほど静かで寂れた雰囲気が漂っていました。

アンコール遺跡と聞くと一番に思い浮かぶのはもちろんアンコール・ワットでしょう。
しかし、この2つの遺跡のようにアンコール・ワットが存在する以前から王が重要視し、自らを神格化した場所、そして当時のクメール人の宗教や宇宙観を表現した遺跡が造り上げられていました。
そんな知られざる遺跡が数多く眠るカンボジア。暑い中そんな遺跡を探検するのもいいかもしれません。
(篠原)

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