海と空と太陽と ~南イタリア、シチリア、マルタ~
まずはなんといってもカプリ島の青の洞窟。年々温暖化の影響で海面が上がり、風が吹いて波が高くなると洞窟へは入れなくなってしまうため、海が穏やかな日はとても貴重なチャンスです。実は私も過去は失敗続き。しかしこれからの時期、夏に向けて入れる確率が上がってくるので期待も高まります。皆さんの思いが通じたのか、この日の海はとても静か。カプリ島の港ではボートがちゃんと私たちを待っていてくれました。「入れる!」高鳴る思いを胸に、洞窟の前まで青い海をボートで進みます。島の岩壁に空いた穴からは、風と波の効果によって、シャンペンの泡のような白い海水の泡が吹き出す現象がみられます。洞窟前で、さらに小さな手漕ぎボートに分乗します。ここまで来ればもう入れたも同然です。いよいよ洞窟内へ。ボートの底に小さくなって頭を隠し、とっても小さな入り口から一気に中へ滑り込みます。一瞬暗くてよく見えないと思ったのも束の間、ふと後ろを振り返ると、小さな入り口から朝の陽光が差し込み輝く海面、絵の具を流したような真っ青な色の洞窟内に言葉を失います。きっと、目に焼きついて離れない光景になること間違いないでしょう。
続いて世界でも最も美しい海岸線の一つと云われているアマルフィー海岸のドライブ。今回は落石により道路の一部が閉鎖されていたので残念ながらアマルフィーの街には行けませんでしたが、海岸線の一部をドライブし、南イタリア有数の保養地ポジターノを訪ねました。ビーチにはオープンカフェがあり地元の人々が楽しげに集います。抜けるような青い空に抜群のお天気。爽やかな海風に吹かれながらのんびりと過ごしました。
シチリア島へ渡って最初に訪ねたのがタオルミナの街。この街は雪煙を上げる活火山エトナの姿、輝くイオニア海の風景など、街から、高台から、海から見る絶景のオンパレードです。とりわけ、ギリシャ劇場から眺めるイオニア海と赤茶の屋根の家々、太陽の光を受けて白く光るエトナ山、そして少しケーブルカーで下がったところから見える小島イソラベッラの景観は絵のようです。イソラベッラは、入り江に浮かぶ小さな緑の島、青い空とエメラルドグリーンの海の調和が美しく、映画「グランブルー」のロケでも使われました。今回は自由時間にご案内。ビーチに下りて貝殻探しをしたり、海岸に座って夕日を眺めたり、思い思いの時間を過ごしました。
11日目には朝、「シチリアで最も見事なバロックの街」といわれるノートへ。1693年の大地震以後、一からバロック様式で建て直されたため、町並みが統一され実に見事です。朝の陽光を受けて明るく光る凝った蜂蜜色の建物と青い空のコントラストは街全体の美しさを一層引き立てます。どこからともなくワンちゃんが現れ、私たちのガイドをするかのように先頭に立ってトコトコ歩いていました。
さて、旅の最後はシチリア島から飛行機で40分程、小さいけれど立派な国、マルタ共和国です。マルタはマルタ本島、コミノ島、ゴゾ島で構成され、治安がとっても良いところです。南イタリア、シチリア島とは一味違った荒涼とした大自然と、様々な姿を見せる濃い青の海、太古の巨石遺跡と聖ヨハネ騎士団が紡いだ激動の歴史が織り成す小さいけれど見所がギッシリ詰まった国です。
マルタ本島からゴゾ島へはフェリーで渡ります。この日もお天気は抜群。ゴゾにはエジプトのピラミッドより更に古い世界最古の巨石神殿、ジュガンティーヤ神殿や自然の力で侵食された奇岩を見にいきました。ここにもマルタ版青の洞窟があります。カプリ島とは一味違い、8人乗りのボートで内海~外海へ、いくつかの色々な形の洞窟に入ってゆきます。比較的風が強かったもののここにも無事に入れ、2連勝!文字通りの青の洞窟、手を海水に入れると光の効果で真っ白に見えるリフレクション・ドーム、ピンクの珊瑚が群生していたり・・さながらディズニーランドのアトラクションのよう。皆さん大はしゃぎでした。
最後の夜は3連泊中の5ツ星ホテルでゆっくり過ごして頂き、翌日も出発時間までヴァレッタの考古学博物館やお買い物に行ったりと、最後まで皆さん楽しまれていたようです。
陽光の南イタリア、シチリア島、マルタ島、これからも一段と美しさと色どりを増す海、空、太陽・・陽気な南の人たちに混じって素敵な休日をお過ごし下さい。(川人)
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