日本人を魅了する、ショパンの音色と美味しいスープ(ポーランド)
さて、話は変わりますが、日本人にとって決して馴染み深いとは言えないポーランド。今回はそんなポーランドとの距離がぐっと狭まる、日本とポーランドのちょっとした共通点をお話します。
まずは、ポーランド出身の有名人の中でも日本で最も馴染み深い、ショパンにまつわるお話から。来年、生誕200周年を迎える「ピアノの詩人」ショパン。
「どうして日本人はこんなにもショパンが好きなのか…」と現地の人に言わしめる程の、日本人におけるショパン人気はどこからくるのでしょうか?それは、ポーランドの伝統的な民族舞踊及びその音楽形式である、マズルカやポロネーズにあります。ショパンが生きた時代、ポーランドはロシア、プロイセン、オーストリアにより分割されており、自国の領土と呼べるものがありませんでした。そんな時代背景を受け、ショパンは愛国心に燃えたぎり、祖国の伝統的な音楽形式である、マズルカやポロネーズの素晴らしい傑作を数多く残しました。そして、それらの「ズン、チャッチャッ(チャッ)」を耳にすると、日本人はきっと「あれ、どこかで聞いたような…」という感覚に捕らわれます。そう、この節回しはまさしく「演歌」なのです。今回、ワルシャワの王宮広場にて軍隊のパレードと遭遇しましたが、やはりこれもしっとりとしていていながらも、底から突き上げるような、ド根性を感じさせる、都はるみ的メロディーでした。この共通するリズムには、きっと両者間に何かしら共通する感性があることを物語っているのではないでしょうか。
そしてふたつめは、旅には欠かせない料理のお話。97%が平野のポーランドは、欧州随一のお野菜天国。野菜そのものの旨さが生きた料理、特にスープは、味にうるさい日本人にも毎回大好評です。しかし、ガイドさんに言わせれば、「ポーランド料理をそこまで美味しいと言って食べるのは日本人だけ。」だそう。その理由は、甘・辛・酸・苦のそれぞれの風味が同居する料理(日本には「甘辛い」ものなどが多くありますよね。)や、ポーランドにはジューレックというライ麦を発酵させたスープがありますが、そんな発酵料理自体が欧州では珍しく、他国の人には中々受け付けられないのだそうです。(また逆に、あるポーランド人が日本に来たときは漬物ばかり食べていたとも…。)
日本ではどうしても、ポーランド分割から、第二次世界大戦勃発の地、ワルシャワ蜂起といった悲劇的な歴史や、アウシュビッツ強制収容所など、ポーランドの暗い面ばかりがクローズアップされ、敬遠される方もいらっしゃいますが、実際旅をしてみると、豊かな自然や華やかな町並み、そして当たり前のように人々の心に宿るカトリック信仰など、全く別の面から受ける感動が予想外に大きいものです。是非、現地を訪れ、ポーランドの多彩な魅力と、ショパンのメロディー、そして絶品のスープをご堪能下さい。
(彌永 亜実)
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