春ならではのギリシア
この度、「ギリシア物語15日間」より帰国しました。
このツアーでは、シュリーマンの発掘で有名なミケーネ遺跡やオリンポス遺跡などのあるペルポネソス半島、内陸のデルフィ、奇岩の上の修道院が有名なメテオラ、ギリシア第二の都市テッサロニキなどギリシア本土をバスで巡り観光します。そしてエーゲ海に浮かぶ美しい島々の中でも人気のあるサントリーニ島、ロードス島、クレタ島にも立寄ります。ロードス島には1泊、サントリーニ島、クレタ島にはそれぞれ2泊しますので、ゆっくりと島での滞在を楽しむことができます。本土も島も両方じっくり堪能できる、ユーラシアでも長年ご好評頂いている定番のツアーです。
春のギリシアといえば鮮やかなピンク色の花を咲かせる「ハナズオウ」が見られる事で有名です。
首都アテネを出発して古代神話の宝庫ペルポネソス半島に入ると、景色はガラリと変わります。建物や車の多い都会から緑豊かな自然へと変わってゆき、車窓からも次から次へと黄色やピンクなど綺麗な野の花が目に飛び込んできます。古代オリンピック発祥の地・オリンピアでも満開のハナズオウを目にする事が出来ました。いつもは地味な色が多く、想像力を働かせて楽しんでいた遺跡の観光ですが、そこに鮮やかなピンク色が加わった事により、まるで一枚の写真が白黒からカラーへ変わったかのような印象を受けました。二千年以上も昔の人々の暮らしがぐっと身近に感じられた瞬間です。
また、春のギリシアでは復活祭も盛り上がります。復活祭はイエス・キリストが十字架の上で磔にされてれ亡くなってから3日後によみがえった事を祝うお祭です。国民のほとんどがギリシア正教の信者であるギリシアでも、この復活祭をクリスマスよりも大切なお祭りとして毎年盛大にお祝いします。私達がクレタ島に滞在した日はちょうど聖金曜日でした。この日にイエス・キリストは十字架を背負ってゴルゴダの丘に登り、そして処刑されました。クレタ島イラクリオンの街の教会では朝から沢山の人々が正装して教会を訪れていました。信者の1人が今にも涙が溢れそうな表情で十字架にキスする姿が印象的でした。教会の鐘は、低く、悲しい音で鳴り響いていました。夜には沢山の人が集り、イエス・キリストの遺体を納めた棺を担いで街を歩いている姿が見られました。
翌日は聖土曜日。場所はサントリーニ島に移りましたが、同じように人々が教会に集っていました。この日はみんな手にロウソクを持っています。教会は薄暗く寂しい雰囲気でしたが、深夜0時になると突然に「フリストス・アネスティ!」という声が響きました。キリストが復活したという意味の言葉です。同時に教会の中はパッと明くなり、人々はエルサレムから届いたというロウソクの火を隣の人へと移してゆきます。教会の外では花火が上がり、家族や友人がキスをし合い、皆でイエス・キリストの復活を喜んでいました。普段では見られない正教徒の姿を見ることが出来ました。また、ギリシアでは復活祭に向けて家の壁の塗り治しや庭の手入れなどをする家庭も多いです。復活祭ならではの街のショーウィンドウの飾りなども楽しい発見です。皆様もいつもと違った春のギリシアへ訪れてみてはいかがでしょうか。(関根)
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