2009年7月31日 (金)

チェコを味わい尽くす

Telc 先日、「チェコ一周とプラハの休日 10日間」のツアーから帰国しました。
歴史、文化、世界遺産、食べ物、ビール・・・このツアーは10日間でチェコを骨の髄から味わい尽くす、とっておきの旅です。
まずは、「百塔の街」といわれる首都プラハから入ります。30体の聖人像がずらりと並んだカレル橋、その先に聳えるプラハ城と壮麗な聖ヴィート教会。うっとりするような美しいプラハの街をたっぷり堪能します。

その後、華やかな回廊が続く温泉保養地カルロビ・バリへ。ここでは国際的に有名な映画祭がちょうど開かれており、街は賑やかなムードに包まれていました。高級ホテル、「グランドホテル・プップ」には有名な映画スターが滞在しているとか。ちょっとホテル内のカフェを覗き見すると、インタビューが行われ、お祭り気分で湧き立ち普段とちょっと様子の違うカルロビ・バリもなかなか楽しげでした。そして、隠し扉や秘密の通路、魔法の鏡・・まるでおとぎの国から飛び出てきたようなフルボカ城、「農村バロックの真珠」と呼ばれるとっても可愛らしいパステルカラーの家が並ぶホラショヴィツェ村、最も保存状態が良いと言われるトシェビーチのユダヤ人地区、スメタナの故郷のリトミシルなど、小粒ながらも珠玉の村や街を周り、緑多くのどかな田園風景の中バスを走らせてゆきます。

Ceskykrumlov3 私の一番お気に入りの街は「チェコで最も美しい」といわれるチェスキークルムロフ。ボヘミアの青い森に囲まれて、中世から抜け出したような麗しの街。たっぷりと水をたたえたヴルタヴァ川が街の中を緩やかに流れ、木々のそよぐ音と川のせせらぎを聞きながら宿泊ホテルのある旧市街へと歩いてゆきます。途中、木でできたラゼブニツキー橋を渡るとき、陽の光でキラキラ光る川面の向こうにチェスキークルムロフ城のカラフルな塔が見えてきます。旧市街の中は近代的なマンションやビルなんて一つもありません。白壁に赤レンガ屋根の古きよき佇まいを残した家々やカフェが軒を連ね、13世紀からずっとこの街を見守ってきたお城が静かにそれらを見下ろしています。20世紀近代化の波から取り残されたお陰で、ここには古の世界がそっくりそのままの姿で残っているのです。
小さな街なので午前中にお城や旧市街広場、教会といった主なハイライトは巡ってしまいます。そして午後は自由時間。思い思い中世の街に迷い込んで頂きます。ホテルは旧市街の真ん中にあるので全て徒歩圏内。自分だけのお気に入りのお店やカフェ探しにも気合が入ります。ちょっとした街角のお店にはチェコならではの質の良い木のおもちゃやマリオネット人形が。石組みの地下カフェに入りヴルタヴァ川沿のテラス席に出ると、しっかりした樫の木のテーブルに素朴なチェコ風焼き菓子が置かれ、人懐こいチェコ人のオーナーさんがカプチーノを運んでくれます。ここでの滞在はまるで時の流れが止まってしまったかのよう。近代社会での慌しい生活を忘れ去るにはもってこいです。ヴルタヴァ川に抱かれたこの宝石のような中世の街で、時を忘れてくつろいではいかがでしょう。   Ceskykrumlov2

もう一つ、この旅のポイントはチェコ出身のアール・ヌーボー画家アルフォンス・ミュシャの大作「スラブ叙事詩」の全20作を鑑賞しにゆくということです。他ではなかなか訪れることのないモラフスキークルムロフという街のお城にこれらは展示されています。ミュシャ独特の流れるような線と柔らかな光に包まれたようなタッチ。ミュシャを知らなくとも、画に興味が無くとも思わず惹きこまれてしまうこと間違いありません。そして、同時に画にはスラブ民族の歴史や様々なメッセージが込められていて単に画をみるだけではない感動を味わうことができるでしょう。

Praha_2 プラハに戻ると、15世紀創業の伝統的なビアホールにて自家製の黒ビールを片手に、牛肉のグラーシュ、サワークラウト、クネドリーキ(チェコ風蒸しパン)を食します。この頃になると、皆さん胃袋の中からもうすっかりチェコ通に。楽しげなアコーディオンの生演奏を聴きながら、プラハの夜は更けてゆきます。

チェコの魅力がギッシリ凝縮された10日間、ぜひチェコを隅から隅まで味わい尽くしてください。

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(川人)

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