2泊3日、シベリア鉄道の旅
先日、バイカル湖とシベリア鉄道の旅より帰国しました。
ノボシビルスクからウラジオストクまでを走るシビリャーク号。私たちは、今回イルクーツクからハバロフスクまでの区間を乗車しました。6月20日。気温は5度で小雨がぱらつく肌寒い朝となりました。6時14分、列車は予定通り入線。いよいよ2泊3日の鉄道の旅のはじまりに胸が高鳴ります。
朝食を食べた後、バイカル湖が車窓に現れてきました。列車は大きくカーブを繰り返しながら湖のほとりをぐるりと走ります。世界最深の湖は、長さ600キロと台湾と同じくらいの大きさ。走れども走れども途切れることがありません。実は鉄道建設のとき、この辺りは険しい断崖が多いため一番の難関だったため、開通したのは、一番最後の方で、それ以前はなんと冬季完全に凍結するバイカル湖の湖上にレールを敷いて走らせていたのだそうです。
シビリャーク号はシベリアの厳しい自然の中を駆け抜けてきただけあって、随分と年季が入っています。連結部の扉やコンパートメントの扉はずっしりと重い手応えで、最初はうまく開け閉めできませんでしたが、それも今となっては忘れられない思い出です。車内は広いとは言えませんが、毛布や布団で暖かく過ごせますし、いつでも入れることのできるサモワールのお湯にほっとします。
車窓にはどこまでも続く緑の大地、白樺の木立、尾瀬のような湿原には黄色の花々が現れ、見飽きることがありません。とはいえ、3日も同じ部屋に閉じこもっていたのでは勿体ないと、2日目、ちょっとロシア人の家族のコンパートメントを訪ねてみました。ナターリャさん一家は4人家族で休暇帰りとのこと。突然の訪問にも関わらず、快くお部屋に入れてくれました。私たちは日本から持ってきた折り紙や写真、歌を披露。すると御礼にと、後で歌や踊りを見せてくれました。 朝の大地がゆっくりと染まる朝焼けや22時過ぎの鮮やかな夕焼けとうっとりしたり、ガタゴトと揺れるベッドで知らぬまに眠りについたり。便利とは言えない無骨な列車ですが、なぜかだんだん愛着が湧いてきました。しみじみとした味わいのシベリア鉄道の旅、ぜひみなさんも一度お出かけ下さい。(石堂 佐和)
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