「桃源郷」タナ・トラジャ
先日、「インドネシア大周遊」の添乗から帰国しました。
乾季のインドネシアは、日中の陽射しは厳しくても、日陰に入ると涼やかで気持ちがよく、現地の方々が木陰でのんびり昼寝を楽しんでいる様子が印象的でした。
インドネシアは、1万を超える島々からなる国で、3百を超える民族が生活しています。
実はインドネシアにも『チャンプル』という言葉があり、沖縄と同じく『混ぜる』という意味で使われているそうです。
今回の旅で特に印象的だったのは、このツアーでのみ訪れるスラウェシ島のタナ・トラジャでした。中国大陸から舟でやってきたという祖先を敬い、家の屋根を舟形につくり、祖先が来たとされている北の方角に向けて建てられています。トンコナンハウスと呼ばれるこの民族独自の建築です。
また、トラジャの人々は、伝統的な“葬儀”を執り行うことでも有名です。身分の高い方の葬儀には3年以上かかることもあり、葬儀のために生涯をかけて懸命に働いてお金を貯めるそうです。
キリスト教に改宗した島民も多いのですが、村の洞窟には、舟形の棺桶と十字架が刻まれた棺桶が隔たり無く丁寧に並べてありました。葬儀の簡略化が進む日本とは、まるで正反対の風習。
「どうしてこんな風習がまだ続いているの?」
そんな声も初めは聞かれましたが、トラジャの村々を巡るなかで、独自の死生観の奥底に、自然やいのちそのものを敬い、大切に想うトラジャの人々の心に触れ、皆さま深く納得されていました。
どことなく日本に似た印象も受けるタナ・トラジャ。 古代日本の風習ととても通じるところがあるそうです。まだ観光客の訪れも少ないこの土地で、流れる時間にゆっくりと身を寄せることができました。(菊池)
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