第2のエルサレムと称される「ラリベラ」にて巡礼(エチオピア)
先日「神秘の歴史エチオピア周遊」の添乗より帰国致しました。
エチオピアは世界的に見てキリスト教国家として、最も古い国の一つに数えられます。エジプトのコプト教の流れを汲むエチオピアのキリスト教は正教(オーソドックス)です。
首都のアディスアベバからラリベラへ。
12世紀頃、伝説のラリベラ王が君臨していた頃に建造されたラリベラの町は第2のエルサレムと称されます。当時エルサレムへの道のりがイスラム教徒により占領されて巡礼が困難になったため、エルサレムを模して造られたのです。そのラリベラに建つ教会群は岩を刳り貫いて造られた世界的に見ても珍しい建築手法で大変興味深いものです。
観光では、ヨルダン川と名づけられた川を挟んだ全11の教会にご案内します。このラリベラの11もある教会の中で、一番の私のお勧めは写真の聖ジョージ教会です。岩を刳り貫いて作っている岩窟教会の中でも建物自体がマスカル(十字架)の形をしており、ラリベラ教会群の中でも一際人目を引きます。教会内部は、演奏をする場所、祈りを捧げる場所、聖職者のみが入れる聖域の3層構造になっています。我々が訪れた際にはエチオピア国内からの巡礼者も多くいらっしゃいました。
それぞれの教会には司祭様がいらっしゃって、それぞれの教会のマスカル(十字架)を見せてくれます。マスカルは教会によって少しづつ形が違うので、見比べるのも楽しみの一つです。
また、ちょっとした名物になってるのがサングラス姿の司祭様です。カメラのフラッシュが眩しいとのことから、司祭様の間でサングラス着用が流行したんだそうです。司祭様の神秘的なお召し物とサングラスは一見ミスマッチなのですが、なにかシュールで惹かれるものがあります。もちろん、お願いすればフラッシュを使わずに撮影するのであれば、サングラス無しの司祭様を撮影することも出来るでしょう。優しそうなまっすぐな瞳が我々を見つめてくれました。
ラリベラの観光を終えて、首都のアディスアベバに戻り、今回はエチオピアの宗教行事であるマスカル祭にもご案内しました。
この宗教行事は西暦326年にコンスタンティヌス帝の母へレナがキリストが磔にあった十字架を発見したことを記念して、始められた由緒あるお祭りです。大司教様の挨拶、軍楽隊の演奏、日曜学校の生徒の出し物と続き、トーチ(巨大ツリー)に火を点火して祭りはクライマックスを迎えます。トーチの火が雄雄しくまるで山火事の様に燃える光景が目に焼きつきました。その後、蝋燭を持って家路に着く人々の群れにのまれながら我々もホテルに戻りました。
エチオピア正教を体感した旅となりました。(高山)
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