ザ・サハラ(モロッコ)
先日、「モロッコ・サマースペシャル」の添乗より帰国いたしました。9月といえども日中は30℃近くあるため、半袖での観光でちょうどいいくらいです。乾燥しているため、時折吹く風が心地よい、ベストシーズンでした。
モロッコはアフリカ大陸最西端に位置し、チュニジア・リビアとともにマグレブ3国のひとつです。1911-1956年までフランスの占領下だったモロッコは、北アフリカの伝統を大事に、かつフランスの影響も色濃く残る国。経済の中心であるカサブランカや、首都ラバトはフランス色が強い都市ですが、東部のフェズ、南部のメルズーガ、西部のワルザザートはモロッコ文化や先住民族ベルベル人の生活を身近に感じることが出来る場所。特に世界遺産であるフェズのメディナ(旧市街)、フェズ・エル・バリはガイドなしでは歩けない、まさにラビリンスそのもの。ワクワクしながら狭い路地を進むと、野菜や肉が所狭しと並べられている市場や染物屋さん、そしてタンネリー(皮なめし工場)があり、モロッコならでは。モロッコ人のエネルギーが詰まっているフェズは、終始驚きでいっぱいです。しかし観光に夢中になっていると迷子になってしまいますのでご注意!道は何本にも枝分かれしていて一度歩いただけではどちらに進めばいいのか全くわかりません。ロバが来たら右に寄って、リヤカーが来たら左に寄って…ああ忙しい。かと思えば目の前にはラクダのお肉がどーんと現れ、山盛りに積み上げられた生のエスカルゴをパクっと食べる市場のおじさんにビックリしたり…すべて見るのに忙しいフェズですが、見所満載で楽しいです。モロッコに来たらぜひフェズでラビリンス体験をおすすめします。
そんなエネルギーに充ち満ちているモロッコですが、北アフリカ・モロッコと聞いて思い浮かべるのは、まず「サハラ砂漠」という答えが多いかと思います。しかし実は、水が大変豊富な国です。緑生い茂る森、砂漠に突然現れるなつめやしのオアシス…赤い砂の大地に突如現れるなつめやしを見たとき、まさにここがオアシスなのだ…!と納得。水のそばにはオアシスがあり、オアシスには様々な動物が暮らし、人間は生活をしてきました。水道をひねるといくらでも水が出てくる、それが当たり前の現代ですが、自然の摂理に従い、恩恵を受けオアシスで暮らす人々を目の当たりにすると、人間のあるべき姿を改めて実感します。
モロッコには3つの大きい山脈があり、このコースではそのうちの2つであるモワイヤン(中)・アトラス山脈とオート(高)アトラス山脈を越えて各都市へ移動します。車窓からはモロッコの自然豊かな景色を楽しめます。特にアトラス杉は有名で、モロッコにあるモスクや宮殿などはほとんどアトラス杉で作られています。丈夫で上質なアトラス杉は、モロッコ人の大好きな木です。アトラス山脈からの雪解け水はどこまでも続いて、砂漠の大地を潤す「命の水」でもあります。
アトラスを越え、4WDに乗り換え進むと、目の前には広大なサハラ。砂漠のオーベルジュに泊まり、翌朝はサハラで朝日を臨みます。鉄を含んだサハラの赤い砂は、さらさらしていてとても微細。手ですくうと指の間からするすると流れていってしまうくらい細かい砂です。砂丘を歩くのは少し大変ですが、薄紫の空に現れた真っ赤な太陽は、サハラに命を吹き込んでいるかのように煌々と私達を照らしてくれ、早起きしたわたしたちにパワーを与えてくれました。真っ赤な太陽の光が雲の間から少しずつ射し込み、赤い砂がいっそう赤くなるサハラ。今日も真っ赤な朝日がサハラを照らしているのだろうか…と、なぜか郷愁に似たような気持ちにさせるモロッコ。もう一度見たくなるサハラの朝日、本当に綺麗でした。(奥谷)
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