2009年10月26日 (月)

オリノコデルタの自然に圧倒される(ベネズエラ)

 
Orinocodelta_lodge先日、「オリノコデルタ、テプイの麓の村々とギアナ高地12日間」の添乗から帰国致しました。
 ギアナ高地にはエンジェルフォールという世界一の落差979mを誇る滝があり、最近ではテレビなどでも紹介され、少しずつ知名度も上がって来ています。滝の展望台に立った瞬間、空から落ちてくるような真っ白なベールに見惚れてしまいます。
しかしながら、ベネズエラにはまだまだ手付かずの大自然が豊富に残っています。

 ベネズエラに広がるオリノコ川は南米で3番目に長い大河です。そのオリノコ川は小さな支流に分かれ、網目のようにベネズエラ東部に広がります。そして支流はデルタ地帯つまり湿地帯を作り出し、独自の生態系を作り上げていました。今回のツアーでは前半にその湿地帯に宿泊し、探検して来ました。

 Jungle_walk自然の中にポツンと浮かぶロッジに宿泊し、植物や動物、虫たちが主役の舞台の観客としてお邪魔して来ました。自家発電のロッジの電気も夜は消灯し、無限の暗闇の中、星と蛍だけが光を放ちます。ロッジには網戸しかなく、大きな網戸の下に広がるベッドからはその星や蛍たちの輝きを見ることが出来ました。外では蛙が鳴き、鳥がさえずり、吠え猿が雄たけびをあげ、湿地帯に棲む小さな蟹たちがガサゴソと動き始めます。テレビもCDコンポも無い世界でのBGMは自然が織り成すそういった音でした。時々、大きなクモやヘビと言った来客もありましたが、何もしなければ、攻撃もして来ません。毒も持っていない為、現地の人たちは笑いながら手で森へ返してあげていました。

  ブラジルに広がる大河アマゾンは有名ですが、現在は多くの資源開発の為にジャングルの森が伐採され、人間が進出してしまっています。しかしながら、ベネズエラは石油が豊富に取れるため、森を乱開発する必要がありません。オリノコデルタには、アマゾンと同じような自然が広がりながらも、手付かずのジャングルが残っているのです。

 またオリノコデルタに住むワラオ族という先住民の家も訪 ねました。オリノコとは現地Waraosの言葉で「父なる大地」という意味だそう。そんな懐深い川と共存する彼らの生活は今もほぼ自給自足。彼らの交通手段はボート、お父さん達が木で作った家から桟橋が繋がっており、男性陣はいくつかの家族が一緒になり、船で狩りに出かけます。私達もカピバラを狩った家族に出会いました。冷蔵庫などの保存方法が無いため、毎日新鮮なお肉や魚を食べています。女性は子供達を世話しながら料理支度をして男性の帰りを待ちます。
「今日は蟹が大量に取れたんだよ!」「試してみるか?」「虫も美味しいぞ!」と笑いかけてくれたお父さんの顔を忘れられません。夜はハンモックで、自然に感謝をしながら床に就くのです。

自然と同化する事は出来ないのですが、そこで生活する先住民の生活をのぞき、自然に畏敬の念を持ち、謙虚に受け止めることを学んだオリノコデルタツアーでした。添乗生活の中で一番手付かずの自然が残っている場所だと感じました。(坂岸)

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