2009年11月19日 (木)

「ラテンの国フランスでケルトを感じる旅」

Photo 先日「ブルターニュ、ノルマンディーの小さな町や村を訪ねて12日間」のツアーより帰国致しました。お天気にも恵まれ観光シーズンのピークを過ぎたフランスをのんびり廻ることが出来ました。

ブルターニュはイギリスからやって来たブルトン人の末裔が住む地域。今ではフランスの一部となっていますが、かつてはブルターニュ公国という独立した国でした。ですから、今でもブルターニュはフランスの中でも地方色の強い(ブルトン文化が根強く残る)地域です。例えば、道路標識などの看板はフランス語の下にブルトン語が書かれているし、インターケルティックフェスティバルと呼ばれるケルトのお祭りも毎年開かれています。また、ブルターニュ公国存続の為に人生を捧げたアンヌ・ド・ブルターニュ公女は郷土愛の強いブルターニュの人達に、今でも大変人気があります。
Photo_2 ブルターニュでは、聖母マリアよりも、マリア様の母親でキリストの祖母にあたる聖アンナの信仰が盛んです。彼女がブルターニュに住んでいたという言い伝えがあるからですが、偶然アンヌ・ド・ブルターニュも同じ名前なので、アンナ信仰に拍車がかかったようです。さらに、古代ケルトの女神アーニャとも関係している様です。この女神は神々の祖とされ、豊穣と冥界をつかさどる大地母神で、古代ケルトには欠かせない女神でした。
また、この辺りにはアイルランド人やウェールズ人、コーンウォール人の修道士もたくさんやって来て「ケルトの聖人」となっています。ケルトの聖人はヴァチカンが認めた聖人ではなく、司教や信者に認められたブルターニュ地方限定の聖人のことです。面白いことに、「ブルターニュの7聖人」を守護聖人とする大聖堂を巡礼して廻るのが12~16世紀に盛んに行われました。最盛期は14世紀で、700kmの山あり川ありの行程を20~30日かけて巡っていたようです。この巡礼は宗教改革伴う混乱によって廃れていきましたが今日でも車で巡礼している人がいるようです。日本で言うとお遍路さんいったところでしょうか。
教会でブルターニュ独特と言えば聖堂囲い地です。俗世から切り離す為に教会の敷地を塀で囲み、入口には立派な石門を設けています。門をくぐると石造りの立派なキリストの磔刑像があり、その傍らには納骨堂もあります。
さらに、ブルターニュはアーサー王伝説の舞台でもあります。ブルターニュを旅していると、アーサー王伝説にちなんだ名前のお店を時々見かけます。ストーリーを知っている方なら、そんなお店を見かけると、ドキッとされることでしょう。
Photo_3 一般的に「フランス」と聞いて思い浮かべるフランスのイメージとは随分違う印象を受けるのがブルターニュです。フランスは何度も行った、という方でも、新鮮さを感じることのできる地域だと思います。 (古橋)

フランス・ブルターニュ、ノルマンディーへのツアーはこちら

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