壮観!『筏祭り』と湖上の祈り
先日、「ミャンマー物語」から帰国しました。雨季が明けて乾季に入ったばかりのミャンマーは太陽の勢い盛んで、日の出とともに気温は一気に上昇。そんな中訪れたインレー湖は、少し高地にあるため、朝晩はからりとした涼やかな風にホッとしました。旅のタイトルにもなった『筏祭り』は、毎年インレー湖で行なわれるお祭りです。ミャンマーは敬虔な仏教徒が多く、また、全体で135にも及ぶ少数民族がともに暮らしています。インレー湖では、主にインダー族と呼ばれる人々が湖上生活を営んでおり、漁業だけでなく、湖上に浮島を作って野菜などの栽培にも力を入れています。偶然話したインダー族の方は、「暮らしに不便があっても、祖先から続いてきた湖での暮らしを続けていきたい」と語ってくれました。土地への深い思いがあるからこそ、有名な櫓の足こぎなど、生活のための智慧がいくつも生まれたのかもしれません。
『筏祭り』では、祭りに際して各村対抗のボートレースが行われます。100人乗りのボートもあり、一寸の乱れもなく足で櫓を漕ぐ姿はまさに圧巻。優勝チームには賞金もありますが、村の名前を連呼してレースに臨む村人の凛々しい姿に、彼らの矜持を感じました。
筏祭りは、普段水上パゴダまで来ることが叶わない人々にとって、仏像を拝顔できるまたとない機会であり、1年の安全や収穫に湖上で暮らす人々が一丸となって感謝を捧げる機会です。祭りの最期は踊り子が乗った華やかな船が行き来して賑わいます。私にはこのお祭りが盛大な厄払いにも見えて、ここからまた1年、新たに彼らの生活が始まるのだなぁと思うと、日本のお正月にも似た心境を感じて、容赦なく陽射し注ぐ暑さのなかで、すっと背筋が伸びたのでした。(菊池)
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